「こいつは、遭遇戦になるかもしれないな」

　威力偵察の場合、通常の偵察と違って、小規模な遭遇戦にぶち当たる時がある。楽しい自習課題の提出期限は8/15だというのに、その後全く音沙汰がない。まだ準備期間とはいえ、期限を区切ってきたのは向こうである。竹田津は次のメッセージを書き込んだ。

「楽しい自習課題」の評価がないのですが、なにかこちら側の提出方法に落ち度がありましたか?　出張中、お忙しいのは重々承知なのですが、できましたら評価の有無や時期などお教えいただければ幸いです。

それに対する回答は次の通り。

> 「楽しい自習課題」の評価がないのですが、なにかこちら側の提出方法に落ち度がありましたか?　出張中、お忙しいのは重々承知なのですが、できましたら評価の有無や時期などお教えいただければ幸いです。 お返事遅れまして申し訳ございません。 芝村に代わりお答えいたします。 taked2さんの課題提出方法にはなんら問題ありません。 詳細な情報の提示、よほど新島を気に入っているようですね。 土産話も興味深く拝見いたしました。 taked2さんが気に入られている新島を舞台にしているため、 物語に妙な現実感が伺えます。 今後、新島の名を聞いたら、taked2さんの物語を思い出すでしょう。 個人的な感想は、ちと色気が足りないが残念です…　これは冗談です。 芝村は現在、某島で休暇中です。 彼も土産話を持ち帰るか否かは不明ですが、 今回の課題の回答？を持ち帰ってくるかと思われます（実は何も考えていなかったらすいません）。

「ちょっと戦闘を激化させてみるか」

竹田津は次のメッセージを書き込んだ。

芝村氏へ 自ら宣言された提出期限を過ぎて一週間、何の音沙汰もないこと、非常に心配しております。 もしかして「ふざけた相手に対する対応」も課題の一部ですか？ 御社のルールは承知しております（当BBS、No.756)。 2001.8.31までに正式なご回答をお願いします。

「さて、相手はどう出てくるか」

竹田津は、デフコンレベルをひとつ上げて、相手の対応を待った。すると思わぬ方向から反応があった。

解答のない課題ですから、返答が無くても別によいのでは、と思います。 この課題については正解もランク付けもない、でも書き込めばランク付けが自動的に行われるとおもいます。なぜなると思ったかは下の方に書きます。 そして自習課題にそんなに返答が欲しいでしょうか？ 自分はいりません。すでに反省をし、色々と次への布石を考え始めています。 今回考えて考えきれなかったことを次につなげ（それが社長の課題につながりますが）そこでできなかったことをまた……、という具合につなげていくことが自習課題の意義であると思います。 自習は教えてもらうのではなく、自ら学ぶ事だと思いますので。 ランク付けについて 評価を下すことによって他人との差異がでます。 この違いはまた見る側の人間からすればランク付けがなされたのと同じ結果になると思います。 好みの問題が絶対的だと認識した場合、それ以外にも手法の練度、接待の配置の具合、それらに対して意見を出すことはそのことに対しての上位下位を認識させる結果となり、その結果本人のランク付けがなされてしまうと思います。 お互いにプロを目指すと言った身。「返答はありますか」と質問し忘れた自分の失敗だと思いましょう（笑）

「この『よの』ってヤツ、なかなかできるかもしれないぞ」

竹田津は頭の隅に留めておいた。そして次のメッセージを書き込んだ。

別に課題の評価うんぬんが問題ではありません。 常識ある普通の社会人であれば、業務として正式に辞令まででた案件で無責任な態度は許されない、というだけの事です。 もちろん業務ですから優先順位はおありでしょう。でもそれと「何の連絡もしないで一週間ほったらかしにするのは別」、ということです。

　そしてしばらく待っているうち、アルファからの正式な回答があった。

> 芝村氏へ > > 自ら宣言された提出期限を過ぎて一週間、何の音沙汰もないこと、非常に心配しております。 > もしかして「ふざけた相手に対する対応」も課題の一部ですか？ > > 御社のルールは承知しております（当BBS、No.756)。 > 2001.8.31までに正式なご回答をお願いします。 どこかに書いたつもりだったのですがこのBBSって見つけるのに苦労します。 で、取りあえず返答しておきます。 芝村は、先週から出張（星雲賞受賞式）で今週頭まで東京におり、その後、 取れなかった夏休みの最中なのでしばし、お待ち頂けないだろうか？ 休み明けに社内の仕事を終えた後に対応出来ると思います。

「なるほど星雲賞か」

星雲賞とは、日本でSF作品に対する最も権威のある賞である。過去、「銀河英雄伝説」「星を継ぐもの」「童夢」等が受賞している。今回は「高機動幻想ガンパレードマーチ」が映画演劇部門・メディア部門を受賞したらしい。

「遭遇戦はこのくらいにしておくか」

竹田津はデフコンレベルを下げて、次のメッセージを書き込んだ。

追伸 > 芝村は、先週から出張（星雲賞受賞式）で今週頭まで東京におり、その後、 星雲賞受賞、おめでとうございます。

そして芝村が帰ってきて、以下のメッセージが掲載された。

> 「楽しい自習課題」の解答をあげます。 > > 楽しい自習課題・解答　「イ島奇譚（いじまきたん）」 大変な力作です。 そのパワーには脱帽します。 難点を言えば、パーティプレイな感じが弱いところでしょうか。 まあ、それも作風と言えば、うなずけるレベルと思います。 アクが強いお話なので、人を選ぶ部分があると思いますが、 総合的には優れていると思います。 今後の活躍に期待します。

こうして遭遇戦は収束した。

(*注意* 登場する人物、団体等は、全て架空のものです)