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「ほう、自己採点か」

芝村が帰ってきて数日後、次のようなメッセージが掲載された。


NO.1782  講評
投稿者/ 芝村@アルファ
投稿日/ 2001/08/26(Sun) 20:51:00
URL/
楽しい自習課題総評
さてさて、みなさん力作ばかりで楽しくも読むのは大変でした。
結局きちんと全員分の報告を読むのに30時間くらいかかりました。
まずは皆様の努力を称えたいと思います。

今回最大の問題は、サーバーメンテで出張から戻った二十日過ぎから三日ほど アクセスできなくなったり、連日激重かったりしたことでした。おかげで、休暇先で社にアクセスできず、この件だけでなく大変難儀しました。
今後は引越し含めてなんとかしたいと思っています。
講評の方、遅れて申し訳ありませんでした。


さて、課題そのものについてですが、前回が小手先というか、細部にこだわるものだったので今回は企画の仕事の大枠というか、アウトラインをなぞるものとなっています。前回の課題による学習効果で各員とも、良く対応できており、良く工夫もされているので文句をつける筋合いもポイントもありません。

個々の手間の差はあるにせよ、自習レベルでこれだけ出来れば、立派です。 お見事。お見事。胸を張って開校をお待ちください。私も教えがいがありそうだと嬉しく思いました。






○課題の意図(意味ではありません)

今回の課題は、適正検査です。
適正検査とは、まあ、企業がやる占いみたいなものです。
一緒に仕事するにあたって、ああ、こいつはこの方面だめだとか、ああ、 こう言う使いかたさせるのがいい、などと、それなりの感触を得るためのテスト、と申しましょうか。

企業と言うのは、これはこれで大変迷信ぶかいもので、面接にならんでこの種のテストを 昔から愛用しています。
最近はこの傾向にさらに拍車がかかり、入社試験(学校もそうなのですが)は、どんどん長期化の傾向を見せています。 お見合い結婚より恋愛結婚ではありませんが、企業は今、人材と実際に付き合って相性を見たがっています。

今後五年の間に生き残るゲーム会社の大部分、あるいは先見の明がある大学などは、入社試験を長期化させ、泊まりこみで3日間とか、そんなことを開始することになると思います。
今回はその前哨戦というわけです。ペーパーテストで1時間やったら、合否が決まる古き良き時代は、なくなることになるでしょう。


ちなみに、適正検査というのにはどれが良い、ということはありません。
適正とはある一定以上の能力がある者に対する個性であり、個性に優劣はないというのが、考え方の基本です。 だから、占いだと、思っていただければ、結構だと思います。
(そもそも、適正は強制で変えられないと思われています。)

さて、適性の具体例ですが、たとえば、今回計らずも応答が遅れた件に関して、taked2氏が問いただしたりしてましたが、あの行動を、行動派として肯定的に捉えるか、従順でないと批判的に捉えるか、企業によって異なります。
一般にアルファを含む小さいところでは行動派が好まれ、(理由:何しろ人手がたりないので、せかせかしたほうが好かれる)逆に大きなところでは、協調性がないと嫌われます。

実際、この課題を解いた方で今社会人の方には、ああそう言われてみれば入社試験の時、思い当たるところがある、と思われた方も多いのではないでしょうか。
ようはそういうことです。(具体例:私が学生で就職活動した時は、まんべんなく就職活動したにも関わらず、外資系企業と小さいところだけから内定をもらってました。
この会社で人事関係に携わるまで、それが私にとって謎だったのです。今考えると、笑えるくらい簡単なことだったのですが)

皆さんにあたっては、就職する際、転職する際は能力以外の点で合否が決することがあると心のメモに書いておいてくださいませ。これはかなり重要なことです。
(自分のやり方が間違ってるのかとか、そう考えるのははやすぎるときがあります。あるいはこの企業には落ちたのにこの企業は受かった、だから、この企業>この企業な、ランクが成立するわけではありません)

過去の統計を見ると、アルファ・システムを受験して、かつそれ以外の企業を受けた学生の当否を見ると、まるででたらめの数値を出してます。
どこぞの三文字企業では合格したのにアルファでは不合格、アルファでは合格してるのにあれ、と思う会社では不合格など、結構あります。
これは見られているポイントが違う、と思ってください。


○適性検査と企画の関係
適性検査というのは、非常に悪い言い方をすると、能力的には合格圏内に残った奴からどれを選ぼうかと人事関係者が考える時の「趣味」です。

そしてこれは、ゲームの企画、あるいは企画書においても良くあります。
SCEが喜ぶ企画は、角川が喜ぶとは限りません。両方とも売上本数を見ているのですが、それだけではない、ということです。これは企画レベルでの適性検査が行われていると、言う事が出来ます
クリエイターを目指す、あるいはクリエイターになる皆さんは、この辺を良く考えて仕事していただきたいと思います。

本当の意味で、プロのプロたるゆえんは、この適性検査を相手にあわせて柔軟に変更し、仕事を獲得できる点にあります。自分の我を通して、私はこれしかやりません。みたいな仕事ぶりは、職人ではあっても、プロフェッショナルではないのです。

貴方がたが職人になるか、プロフェッショナルになるか、それは分かりません。
どちらがいいとも、私には言えません。
が、この点を念頭において、今後は課題を解いていって欲しいと思います。 



○自己採点(一人占い)
今回の課題は、自己採点方式で、各々自己がどんなタイプなのか自分自身で見てもらいたいと思います。えー、私はこんなタイプじゃないよと思われる方もいると思いますが、この場合、重要なのは企業からはそう見られているというところです。意にそぐわないなら、考えましょう。
占いごときで、合否を決められたらたまったものじゃないとも言えます。

実際のGAME-DOJOの高位ランクでは、各企業から協力を得て、この種の課題を解いて向き不向きを判別したいなあと思います。 (斡旋までするかどうかは、現在検討中です)

では、それぞれ皆さん、力作を片手に、一人占いをはじめましょう。

適性は以下に分析されます。
1.作品の個性
-1 オタク度チェック
-2 マニア度チェック
-3 客層チェック
-4 ジェンダーチェック
-5 思想チェック
-6 ラブリーチェック
-7 南の島度チェック

2.製作者の個性
-1 企画者としての適性
-2 協調性と非協調性
-3 リーダーシップ(幹部候補になりえるかどうか)
-4 論理的か、感情的か
-5 実践派か理論派か
-6 攻撃型か防御型か
-7 速攻戦か長期戦か
NO.1784  Re[2]: 講評
投稿者/ 芝村@アルファ
投稿日/ 2001/08/26(Sun) 20:56:11
URL/

2.製作者の個性
個々から先は、製作者の個性チェックです。これまた企業によって
好かれる人間もあれば、煙たがられる人間もさまざまです。
自分がどのように接して作り上げて言ったか、それを考えながらチェックを
していきましょう。


-1 企画者としての適性
○このチェックの意味
企画書としての適性を見ます。チェック項目が少ない場合、企業によっては
企画者以外の仕事に廻される可能性がでてきます。


○チェックポイント
P1 楽しく作業が出来た
P2 自分の知識が大変役にたったような気がする
P3 普段から漠然と課題について考える時間があった
P4 何度か途中でやり直した
P5 前回の課題で指摘された問題を反省し、自分なりに改善した


○評点
5pの人の場合、世間一般で言う変人、業界的には企画者になるために うまれてきたような人です。逆に、一個もチェックが無い場合、適性無しとして他部署にまわされることも多い(そう言う人は他でも上手に仕事ができる)と思います。


-2 協調性と非協調性
○このチェックの意味
集団での協調性が高いというのはいいことばかりではなく、あえて嫌われ役を必要とするケースもままあります。ここでは、協調性を見て、人材のタイプを判定します。

○チェックポイント
P1 最後まで文句を言う人間がでなかった
P2 自分の意見をまげて、あわせたことがある
P3 先回りして相手の言いたいことを言ってのけた
P4 多数派工作をした
P5 事前に争いが起きないよう、注意して行動した

○評点
普通は、2くらいです。0は、一匹狼として企業の中では必要悪として好かれます。
5は、寝業師との異名をとれるほどの”政治家”としての顔があります。
純粋に平均的な企画屋として見る場合、3くらいが適当でしょう。



-3 リーダーシップ(幹部候補になりえるかどうか)
○このチェックの意味
いつまでも現場で楽しく作業できる企画者もいれば、2、3年で上の覚えめでたく管理畑にとばされる(世間一般では栄転)する人もいます。
ここでは、その人の現場寿命を判定します。

○チェックポイント
P1 他のパーティメンバーから感謝されている
P2 重要な個所では自分の意見を押し通している
P3 全員から名指しで意見を聞かれたときがある。
P4 役割分担をするさい、主導的な役割をはたした
P5 使えないと思った人間を閑職にまわした。 

○評点
4ポイント以上のチェックが入った人は、あんまり長く現場にいれないかも知れません。
なお、一緒に作る人がいなかった場合、あるいは相手が長年つれそった良人や親友の場合、この評点そのものは役に立ちません。
無視してください。 


-4 論理的か、感情的か
○このチェックの意味
企画屋は大別するとシステム設計者とシナリオ設計者、プレゼンテイターの3種類からなります。ここでは、課題挑戦者が大まかに言ってどのタイプかを判別します。

○チェックポイント
P1 文章内容、構成などについて、自分で最終調整した
P2 いくつかの部分で、数値を含んだ表記、表現を行った
P3 残スケジュールからできることを逆算した
P4 いくつかのキーワードを設定した
P5 全体作業の40%以上の時間を使って全体の構成やプランを練った

○評点
チェック5で、システム設計者向き、反対にチェックが0から1しかついていない場合、シナリオ設計者向きです。P1、P3だけにチェックがついている場合、プレゼンテイター(プロデューサー)の方が向いているかもしれません。


-5 実践派か理論派か
○このチェックの意味
世の中の企画者には、実測を重んじるタイプと、机上の計算を重んじるタイプの2種類がいます。どちらにも良い点があり、反面悪い点も存在します。

○チェックポイント
P1 取材した。あるいは、資料を集めてきた
P2 突飛に見えるものを排除し、無難な線とした
P3 スケジュールに対し、予想よりそれなりに早くできた
P4 身体のおもむくまま、本能の赴くままに作業を行った
P5 自分で言うのもなんだが、無難な仕上がりだと思う

○評点
5が、稀に見る実測主義者です。
0はこれまた稀に見る理論派です。
通常は、チェックが一つくらいつくと思います。
5の場合、メインの企画者というよりも、有能な補佐として企業が優遇する可能性があります。


-6 攻撃型か防御型か
○このチェックの意味
企画には企業の戦略に応じ、攻撃的もしくは防御的な人材が選ばれて廻されます。
通常の企業の場合、攻撃的企画者1に対し、防御的企画者5が取られるのが普通です。
アルファ・システムの場合に限り、この比率は1対1になります。


○チェックポイント
P1 普通の人がやってこないルートを選択した
P2 最初に突飛なモノがくるように調整した
P3 ある程度悪く言われることは覚悟した
P4 とにかく急いで作業を行った
P5 全体として極端になるようにした

○評点
5pで超攻撃型、0で完全防御型です。通常、1か2になります。
4以上は攻撃的企画者と言えるでしょう。

攻撃的企画者は、通常、あまり採用されません。企業が攻勢に出るタイミングはそう多くないからです。その点、そういうものだと割りきったほうがいいでしょう。


-7 速攻戦か長期戦か
○このチェックの意味
企画者には2年3年という長期の仕事に向いたものもいれば、とてもそれには耐えられない、速攻タイプの企画者がいます。


○チェックポイント
P1 期間ギリギリまで粘った
P2 焦ることは一度も無かった
P3 他の動向を考えた上で、時間の使い道を選択した
P4 課題が終わった後の次の課題のことを考えた
P5 最後まで勢いが落ちなかった

○評点
5pで、長期戦タイプです。0だと速攻タイプになります。
通常、極端なタイプよりも、1から2くらいの人間が好んで登用されます。
5は、最終防衛ラインとして企業が使うタイプのキーパーで、0だと、スカウト、すなわち偵察に使われます。





以上です。お疲れ様でした。
実際における適性検査は、今回のようなものをいくつか、通常、3つくらい合計した結果としてデータ化され、選択されます。
占いは占いとして、一応損しないように頭の片隅においていただければ結構です。
NO.1783  Re[2]: 講評
投稿者/ 芝村@アルファ
投稿日/ 2001/08/26(Sun) 20:52:57
URL/
1.作品の個性
-1 オタク度チェック
-2 マニア度チェック
-3 客層チェック
-4 ジェンダーチェック
-5 思想チェック
-6 ラブリーチェック
-7 南の島度チェック

2.製作者の個性
-1 企画者としての適性
-2 協調性と非協調性
-3 リーダーシップ(幹部候補になりえるかどうか)
-4 論理的か、感情的か
-5 実践派か理論派か
-6 攻撃型か防御型か
-7 速攻戦か長期戦か

*******************************

1.作品の個性
-1 オタク度チェック
○このチェックの意味
オタク、と言われる宣伝不要な上にお金をたくさん使ってくれる
信じられないくらい良いお客様にどの程度受けるか見ています。
真面目な話、オタク度によって企業の受けが変化するので、相手にする
企業を考えがら、こまめにチェックすることをお奨めします。


○チェックポイント
P1 ギャル比率1:6以上
P2 平均年齢15歳未満
P3 美形ばかりである
P4 主人公はすごい能力を持っているか、あるいはなくてもなんとなく問題解決する
P5 内容を五秒で表現できる

○評点
オタク度0で、オタクからはさげすまれますがメジャーになれます。
オタク度5でオタクヒーロー。誰も知らない有名作品になれます
ちなみに微妙な線でチェックポイントを全部外している人は、勘違いくんか
ひねくれものです。



-2 マニア度チェック
○このチェックの意味
作品からどの程度狂気を感じさせるかを見て、その作品の神話性を見ます。
この部分もオタク度と同じく、企業によって好き嫌いがあります。


○チェックポイント
P1 パロディが高度で元ネタの判別が困難
P2 深遠な作品性がある(例:人の心とは?)
P3 知識がないと読めない部分がある。用語の説明の個所が多い
P4 大変手の込んだ解決方法を取り、しかもハッピーエンドでない
P5 まんまと序盤に重要な伏線が提示されている。


○評点
チェック5全部つけてる作品は、怪作か、異色作です。
チェック0は、ばっちり大衆作品です。
ちなみに、微妙な線でチェックポイントを全部外している人は、
頭がどうにかしています。そこまで凝らないでよろしい。


-3 客層チェック
○このチェックの意味
貴方の作品につくであろう客の年齢層を見ています。


○チェックポイント
P1 オタク度が低い(チェック1以下)
P2 マニア度が低い(チェック1以下)
P3 人生、坂の見えた人が独白するシーンがある
P4 回顧シーンがある
P5 言葉で表現できない、しぐさや表情を表現している


○評点
3ポイントは全年齢。0P、5Pは意味こそちょっと意味が異なるものの年齢層が高くなります。
2Pや4Pは、年齢層が少し低めになります。
作品作る時は3Pあたりが無難でしょう。


-4 ジェンダーチェック
○このチェックの意味
作品が男性的か女性的か見ます。
当然ながら、企業によっては女性的、あるいは男性的な作品を好むところがあります。

○チェックポイント
P1 汚い
P2 作品的に花が似合ない
P3 粘着的な質感がある
P4 強さそのものを目的にしている
P5 細部までリアル

○評点
3Pは中性。ポイントが高いほど男性的で、低いほど女性的です。
もちろん、女性でも男性的なものを好きな人もいますが、企業は大体上の
チェックポイントに準じて区別化します。


-5 思想チェック
○このチェックの意味
思想性の高さを判定します。
ここでは思想の良しあしや種類については何も言わず、その強さだけを判定します。
思想的に強い物は、一部の企業に嫌われる時がありますし、喜ばれる時もあります。


○チェックポイント
P1 繰り返し一つの思想が表現される
P2 複数の登場人物が同じ思想を違う表現で言う
P3 思想を端的に表現する名言が存在する。
P4 思想を体現し、愚守する人物がいる
P5 思想を体現するシンボルが存在する


○評点
企業によっては、2P以上のチェックのゲームを落すところがあります。
ここらへんは、取引先がどういうところか十分に情報を集めて対処
しましょう。



-6 ラブリーチェック
○このチェックの意味
企業によって異常なまでに気にする項目として、
このラブリーチェックがあります。企画によっては
猫一匹追加するだけで企画通過することもありますし、
企画屋志望の人間は無視できない要素の一つになります。


○チェックポイント
P1 かわいいマスコットが登場する
P2 かわいいマスコットが沢山登場する
P3 かわいいもの好きの登場人物が沢山登場する
P4 根っからの悪役はいない
P5 血がでない

○評点
ポイントが高いほどラブリー度があがります。
5までいくと、客層が狭くなる傾向があります。



-7 南の島度チェック
○このチェックの意味
南の島度は、クライアントの漠然とした要望をどの程度
満たしたかと言う物です。クライアントによっては大きく
予想を裏切るものを喜ぶ会社もあれば、逆に要求通りの
ものを厳密にほしがるところもあります。


○チェックポイント
P1 気候が温帯・熱帯である
P2 南の島を感じさせる小道具が出てくる  
P3 登場する名前が南の島風である
P4 風俗、歴史が南方の島々をなぞっている
P5 海が出てくる


○評点
チェック0では、もはや南の島ではありません。
逆に5は期待通りすぎるという感じでしょうか。
通常ならば、チェック2も満たせば十分と思われます。




総合評定
さて、ここからは各企業の傾向を見てみましょう。
自分の力作を見ながら、ああ、素ならこんな会社と相性がいいのねと思うといいと思います。
色々大人の事情があるので、具体的に社名をたずねるのは無しということにしてください。
(でも察するのは自由と言うことで)

番号 チェック項目 某ハードメーカー1 ハードメーカー2 ハードメーカー3
1 オタク度チェック      1        3        0
2 マニア度チェック      1        3        0
3 客層チェック        3        0        3
4 ジェンダーチェック     2        3+       2
5 思想チェック       自由        0        0
6 ラブリーチェック      2        1        2
7 南の島度チェック      1        5        4

番号 チェック項目   アルファ・システム その仲良し 中堅ソフトメーカー
1 オタク度チェック      2        1        4 
2 マニア度チェック      2        3        3
3 客層チェック        3        3        0
4 ジェンダーチェック     3        4        2
5 思想チェック        3        0        1
6 ラブリーチェック      1        0        0
7 南の島度チェック      2        0        0


みなさんは、どんなタイプだったのでしょうか?


「これは、やってみないとな」

竹田津は自己採点してみた。


NO.1813  「イ島奇譚(いじまきたん)」自己採点
投稿者/ taked2
投稿日/ 2001/08/27(Mon) 18:03:46
URL/
とりあえず言い出しっぺってことで。


---------------------------------------------------------------------------
自己採点

1.作品の個性


-1 オタク度チェック

P1 ギャル比率1:6以上

× 大体、言葉でさえギャルなんざでてこない。あ、設定で「コギャル」というのは1回あったかな....って程度。


P2 平均年齢15歳未満

× 登場人物の平均年齢はどう低く見積もっても20歳代後半(詳細は省く)。しかもそれまで下げてくれたのがヨーヘー君(5才)。もしそうでなかったら、優にミソジーズは越えておろう。


P3 美形ばかりである

× 変なヤツ、お子様、マッチョ、ジジババ、おやじ....美形の要素はまるっきりなし。というか、そんなことは頭からスコッと抜けてましたわ、ハハハ。


P4 主人公はすごい能力を持っているか、あるいはなくてもなんとなく問題解決する

○ これは自信あります。「男」って単にジタバタしただけですもん。


P5 内容を五秒で表現できる

○ 「喫茶店で会いたくないお客様に会ったときのホラ話」。3.4秒

○評点

2P 「プチオタク級」ですな



-2 マニア度チェック

P1 パロディが高度で元ネタの判別が困難

○ 5日目の「虎のモヤイ」あたりって、自分でさえ「これの元ネタなんだっけ?」と思いながら書いてました(健忘症だったりして)。ああ、それとモヤイの 設定考えてるとき、「石から生まれた知性体って何かあったっけ....ああ、そういや孫悟空って石猿だったなあ...おっ、そうすると五行の石板とうまく つながる」って一人でへつへつ思ってました。


P2 深遠な作品性がある(例:人の心とは?)

○ 裏ストーリーは、「男」の心が「でも、こっちはこんな所で一生過ごすつもりはありません」から「ここで一生過ごすのも悪くないかもな」に変わるためのお話ですから。最初に新島に行ったときの正直な感想です。


P3 知識がないと読めない部分がある。用語の説明の個所が多い

○ ハッキリ言って新島にいる人でないと分からん単語(しかも年配の方向き)が炸裂してます。Webのアクセスログ見ると、「設定」のページって結構みんな読んでるんですね(苦笑)。


P4 大変手の込んだ解決方法を取り、しかもハッピーエンドでない

○ このチェックポイント見たとき、しばらく腹抱えてました(笑)。まあ「おわり」をハッピーエンドとみるか、7日目でハッピーエンドでない、と見るかは 意見が分かれると思うんですが、「おわり」でもその後、お客が怒り出して土下座したり靴なめたりしてるわけですから、まあ「ハッピーエンドでない」という べきでしょう。


P5 まんまと序盤に重要な伏線が提示されている。

○ ハイ、実はギミック的には2つトラップ入ってます。「はじまり」で「ここだけの話」と念を押すのが一点、1日目の冒頭で日常の風景の描写に見せかけて 「実は今回の事を引き起こしたのは自分だった」(モヤイの転送術)てのが一点。「飛行機に乗れなかった」のは自分では伏線のうちには入れていません。文章 上のトラップとしては「はじまり」の「ホント」というのが、「おわり」の「ホラ」と対句です。本当はもうちょっと仕込みたかったんですが、文章だとあれが 限界...なんで「はじまり」の写真にトラップ入れてます。詳しくは自分で見てね。


○評点

5P 文句なく「ヘンな作品完全無欠級」となりましたわ、ハハハ。実はこれが一番うれしかったりして(笑)




-3 客層チェック


P1 オタク度が低い(チェック1以下)

× 「プチオタク級」


P2 マニア度が低い(チェック1以下)

× 「ヘンな作品完全無欠級」


P3 人生、坂の見えた人が独白するシーンがある

○ 7日目の最後なんて「疲れたオヤジのぼやき」そのものだもんなあ(苦笑)。


P4 回顧シーンがある

× 回顧に近い所はあるけど、「シーン」まではいってないですね。


P5 言葉で表現できない、しぐさや表情を表現している

○ 『ズーッと考えてるようでしたけど、「じゃあ、勝手についてくるんならいい」 って言ってくれました。』『入ると人のよさそうな男が座ってました。』あたり。文字数を減らしたので細かい部分はかなり消えちゃいましたが。


○評点

2P 「ちょいと低めの年齢層級」。意識としてはもうちょい上狙ったんだけど、なるほどそういうものか。


-4 ジェンダーチェック
○このチェックの意味

P1 汚い

○ 腹が減ったら花や虫やクワガタまで食おうとしました。


P2 作品的に花が似合ない

○ 花は見て楽しむものではなく、食べるものでした。


P3 粘着的な質感がある

○ うーん、まあかなりしつこい描写(『浜に叩きつけられた時に左の肋骨あたりを強く打ったみたいで...ホラここ、まだアザが残ってるでしょ。』)あります。


P4 強さそのものを目的にしている

○ 基本的に能天気ですけど、何度失敗してもあきらめないで突貫するあたりは「強さ」が目的ですね。あと「ラガ族」がマッチョだらけとか(ってこれはこれでまた方向が違うか)。


P5 細部までリアル

○ 本編の方はなるべく文字減らすようにしましたけど、その分、設定で意味だの背景だのかなり細かく設定しました。

○評点

5P 「漢(おとこ)印そのもの級」。まあ、意識して女性的なものを抜いたってのはありますから仕方ないですね。まあ、ロマンスの1つもあった方がいいんですが、実際のモデルがないんで書きようがありませんでした(本当だって)。




-5 思想チェック


P1 繰り返し一つの思想が表現される

○ この島からは外へ行けないこと。数度の脱出失敗で表現。


P2 複数の登場人物が同じ思想を違う表現で言う

○ 「この島からは出られない。ニ島へは決して渡れない」「泳いで渡る以外にニ島へ行く方法はない。しかしそれを成し遂げた者はほとんどいない」


P3 思想を端的に表現する名言が存在する。

○ 「ここで一生過ごすのも悪くないかもな」


P4 思想を体現し、愚守する人物がいる

○ 三郎兵衛。「俺も気がついたらここにいたんだ。もう30年になる」


P5 思想を体現するシンボルが存在する

○ モヤイ。石でその上、ほとんど動けない


○評点


5P 「思想指名手配級」 あっちゃ~、よっぽどこの島にいたいんだなあ。





-6 ラブリーチェック


P1 かわいいマスコットが登場する

× 不気味なマスコット(モヤイ)なら登場しますが。


P2 かわいいマスコットが沢山登場する

× かなり不気味なマスコット(モヤイ)ならたくさん登場しますが。


P3 かわいいもの好きの登場人物が沢山登場する

× 唯一の救いは「男の子」が携帯のマスコットの人形で転んでくれたことかな?


P4 根っからの悪役はいない

○ ハイ、悪の権化どころか悪役さえいません。「ラガ族の族長」でさえ仕事でやっているわけですし。


P5 血がでない

× 直接的な表現はありませんが、村人に袋叩きになりましたもんね。あとス巻きにされたし。

○評点

1P 「マイクロラブリー級」まあ、そうだろうな。基本的なコンセプトは「男性的な脱出劇」だからね。本当は「大脱走」みたいなのが書きたかったんですが、海底トンネルを一週間で掘るわけにもいかんからなあ、しかも5Kmもあるし。




-7 南の島度チェック

P1 気候が温帯・熱帯である

○ 波に巻かれて一晩海岸で寝ても、風邪ひとつひいてないから。


P2 南の島を感じさせる小道具が出てくる

○ 瀬ツカシ板(サーフボード)


P3 登場する名前が南の島風である

○ もろ太平洋戦争中にありそうな名前。本当は「ゴ島」だの「ガ島」だの濁音がついた名前にしたかったんだけど、オチの関係で「イ島」と「ニ島」(って最 後までこの並びにしておいたのですが、普通は分かるわなあ、オチが)。あ、ここ実際の島とは何の関係もありませんので、お間違いなく。


P4 風俗、歴史が南方の島々をなぞっている

○ ラガ族。島の若衆組がイメージベース。「菜の花の沖」(司馬遼太郎)あたりを読めばイメージがつかめます。


P5 海が出てくる

○ 7日中4日は海登場。


○評点

5P 「コッテコテの南の島級」 これで実は北極圏あたりにあったら、その発想の方がスゴすぎ(っていうか、ついていけません)



結果

1.作品の個性
-1 オタク度チェック = 2P 「プチオタク級」
-2 マニア度チェック = 5P 「ヘンな作品完全無欠級」
-3 客層チェック = 2P  「ちょいと低めの年齢層級」
-4 ジェンダーチェック = 5P 「漢(おとこ)印そのもの級」
-5 思想チェック = 5P 「思想指名手配級」
-6 ラブリーチェック = 1P 「マイクロラブリー級」
-7 南の島度チェック = 5P 「コッテコテの南の島級」



うん、間違いなく「私ごのみの作品」(苦笑)。「ちょいと低めの年齢層級」ってのは精神年齢のことだな、きっと。

まあ、これで航路修正する基本的な海図と羅針盤は手に入ったわけだ。あと、GPSやソナーも欲しいところですね。

---------------------------------------------------------------------------

2.製作者の個性


-1 企画者としての適性


P1 楽しく作業が出来た

○ これは間違いなし


P2 自分の知識が大変役にたったような気がする

○ この日のために新島に通い続けた....っていうのはウソだけどまあ○


P3 普段から漠然と課題について考える時間があった

○ まあ、日頃からサーフィン連盟の記念碑を他にネタとして使おうと考えてる人はあまり多くないハズ。


P4 何度か途中でやり直した

○ シナリオとストーリー展開は結構イジリました。あと土産話で読みながら調子を合わせるとか。


P5 前回の課題で指摘された問題を反省し、自分なりに改善した

○ これについてはあまり多くを語りたくないですね(苦笑)



○評点

5P 「変人級」。間違いなし。自分でも周囲でも認めています。




-2 協調性と非協調性


P1 最後まで文句を言う人間がでなかった

○ まあ、文句をいいそうな所は自分でやったんで(って、ほとんど文句がでそうなとこばかりだったんだけど...苦笑)


P2 自分の意見をまげて、あわせたことがある

○ お子様の可愛らしさをぜひ、といったけど、「だめ」っていわれた。子供には勝てん。


P3 先回りして相手の言いたいことを言ってのけた

○ まあ、今回の課題全体でいえば....ってことで(苦笑)


P4 多数派工作をした

○ しました。まずお子様を抱きこんで(しかもモノ)、あとはおばあちゃん、お父さん、奥さんの順に丸め込みました。


P5 事前に争いが起きないよう、注意して行動した

○ ストーリー展開上、島を動かしていいもんか、特に去年地震に見舞われた新島で許されるかどうか悩みました。最悪、全部ボツにして今回の課題からも撤退 しようかな、と。でも恐る恐る聞いてみると、「それより興味持つ人が増えて観光客がくる方がうれしい」とのこと。拍子抜けするぐらい。

○評点

5P 「寝業師級」、おお、柔道なんて高校の授業でやったぐらいでこうとは(しかも男と抱き合うなんてやなこった、ってなるべくサボってたのに)。今度は河津掛けでも習いましょう(←反則だって)。



-3 リーダーシップ(幹部候補になりえるかどうか)

P1 他のパーティメンバーから感謝されている

○ 本当の所はどうか、第2次威力偵察で調べてみます


P2 重要な個所では自分の意見を押し通している

○ 「おばちゃん、写真使わして」「何に使うんだい?」「いや、(うんぬんかんぬん)」「まあ、わからんけどタ○ダさん(もう10年近く行っているのにい まだに正確に苗字を覚えてもらってない...泣)ならいいかねえ」、おばちゃん、ありがとう。おみやげ持っていきます。


P3 全員から名指しで意見を聞かれたときがある。

× 結局、最後は酒盛りしてたのでそれどころじゃなくなりました


P4 役割分担をするさい、主導的な役割をはたした

○ っていうかストーリーが決まった後は......


P5 使えないと思った人間を閑職にまわした。

× 閑職にまわすと.......



○評点

3P 「現場好き級」。現場が好きなんでいいことです(でも本当の所は無視...苦笑)


-4 論理的か、感情的か

P1 文章内容、構成などについて、自分で最終調整した

○ というか....って引っ張りすぎ。もし複数が書いてきたとしても、調子合わせは一人でやった方がいいですからね。


P2 いくつかの部分で、数値を含んだ表記、表現を行った

○ 人数とかは数字を使った方が楽なんで。30体のモヤイの説明してたらそれだけで1500文字いっちゃいます。


P3 残スケジュールからできることを逆算した

○ 身体はひとつしかありませんし、こればっかりやっているわけにもいきませんから(苦笑)


P4 いくつかのキーワードを設定した

○ これはちょっとわかりにくいんですけど、作る時の企画意図とか全体の統一性をみるためにいくつか設定しました。


P5 全体作業の40%以上の時間を使って全体の構成やプランを練った

○ ええ、最初きっちり苦労しておくと後で楽できるのは、経験上知っています。最初がイイ加減だと、あとでその10倍は苦労しますから。

○評点

5P 「システム設計者級」。ふむふむ、で、システム設計者っていったい何をするんです?(苦笑)


-5 実践派か理論派か

P1 取材した。あるいは、資料を集めてきた

○ というより波乗りついでに取材してきた、ってのが本当のところ。


P2 突飛に見えるものを排除し、無難な線とした

× いいえ、ホラ話なので突飛なモノを優先しました。


P3 スケジュールに対し、予想よりそれなりに早くできた

× 最後のころ、他に優先してやることがあったので、最後は完徹の連続だったかな(苦笑)


P4 身体のおもむくまま、本能の赴くままに作業を行った

○ っていうかぁ、そうしないと終わりませんからぁ(ここちょっとギャル調)


P5 自分で言うのもなんだが、無難な仕上がりだと思う

× いいえ、自分でいうのもなんですが「そーとーヘンな仕上がり」になったと思います

○評点

2P 「プチ実測派級」ってとこですかね。


-6 攻撃型か防御型か

P1 普通の人がやってこないルートを選択した

○ これはかなりヘンなルートで行きました。想像の島に実際に行ってきた、と。ってあくまでモデルですけどね。


P2 最初に突飛なモノがくるように調整した

○ 戦術の要諦は「戦力集中による先制攻撃」にあると思っていますから。とりあえず最初にバーンといって「つかみはOK」ってなれば半分は勝ったようなモノ、と。


P3 ある程度悪く言われることは覚悟した

○ ええ、あえて「萌え」は頭から消しました。


P4 とにかく急いで作業を行った

○ トラブル、アクシデントはつき物ですから。最初急いでおけば、突発事故が起こってもまあ、なんとかなるもんで。


P5 全体として極端になるようにした

○ ええ、今回はまず事件を起こしてから、ぐるんぐるん回して、最後は島を動かしちゃいました。だってホラ話ですから話が大げさにならないとお客さんは納得してくれないし。主人公はリアルなヤツなんで結構苦労したと思います(苦笑)



○評点

5P 「超攻撃型級」。あら、外見からは想像できない結果ですね、あ、そういえば昔付き合っていた彼女が(以下、未成年も見る事を考えて略)




-7 速攻戦か長期戦か


P1 期間ギリギリまで粘った

○ かなり粘った気がします。最後、地図を頼んだ友達が波乗りに行っちゃたので(それは仕方がないこと)、苦肉の策でそこらへんにあるメモに殴り書きして帳尻を合わせました。


P2 焦ることは一度も無かった

× 焦ったのは行きの船で「甲板で寝るなら乗せてやる」って言われた時ぐらいかな。


P3 他の動向を考えた上で、時間の使い道を選択した

○ というかこればっかりやってるわけにいかないんで(苦笑)


P4 課題が終わった後の次の課題のことを考えた

× それはなかったですね。ただし次の課題で使えそうな所があったんで流用しました。連続性も企画のひとつの武器ですから。


P5 最後まで勢いが落ちなかった

○ ええ、基本的には勢いに任せてやりますけど、ペース配分はキチンとしないと息切れしちゃいますから。補給の事を頭に入れて進軍しないと後が続きませんからね。

○評点

3P 「中期戦型級」。飽きっぽいところもありますが、それよりいちどしかけたことを放っぽりだして次にいくのはもっとイヤなんでこうなりますかね。でも周りは本当の所は迷惑なんだろうなあ(苦笑)

結果

2.製作者の個性
-1 企画者としての適性 = 5P 「変人級」
-2 協調性と非協調性 = 5P 「寝業師級」
-3 リーダーシップ(幹部候補になりえるかどうか) = 3P 「現場好き級」
-4 論理的か、感情的か = 5P 「システム設計者級」
-5 実践派か理論派か = 2P 「プチ実測派級」
-6 攻撃型か防御型か = 5P 「超攻撃型級」
-7 速攻戦か長期戦か = 3P 「中期戦型級」


うーん、まあ、私が一緒に仕事をするにはちょっと敬遠。同じタイプがいても仕方ないですからね(あと「もし私が女だったら」も追加。こんなヤツ、ヘンで超攻撃型寝業師(?)で出世はしないんでしょ。よっぽどマニアでないと...苦笑)

まあ、自己評価と他人の評価がどう違うのか、楽しみです。いくら自分で客観視しているつもりでも他人からみれば「協調性なし」という場合もあるもんで。そこらあたりもピント調整に役立つかな。

P.S.ってわけで第二次威力偵察に行ってきます。しばらくは静かになると思います(苦笑)。

 

NO.1792  チェック表の使い方
投稿者/ taked2
投稿日/ 2001/08/27(Mon) 00:58:08
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 なるほど、このチェック表は、TV番組や映画、小説、漫画、もちろんゲームなどいろいろチェックできて楽しめそうですね。取り合えず、このチェック表片手に片っ端から調べてみます。

こうして竹田津は、海図と羅針盤を手に入れた。

 

(*注意* 登場する人物、団体等は、全て架空のものです)

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投票数:69 平均点:6.09
作成:2008-7-26 19:48:46
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