そしてついにGameDojoの本格オープンの日がやってきた。

 竹田津が志望しているのは、企画。つまり基礎も同時に受講しなければならない。そしてオープンと同時に「入学課題」と称された次の課題が発表された。



入学課題(なぜ勉強をしなければならないのか 単位1) (09月10日)

入学課題(なぜ勉強をしなければならないのか 単位1)

最初に明言するが、何故勉強しなければならないのか分からなければ、勉強をしても教わっても、身につかない。なぜなら人間、必要なもの以外は身につかないからである。
それはなぜか? それを学んだのちに、DOJOの門下生になっても遅くはないと考える。

芝村


以下の課題に回答せよ。回答は公開方式とし、メールでの提出は認めない。
この課題は3回答えなければならない。
まったく同じ課題を、解答者は7日に1回、合計で3回答えること。同じ答えはしないこと。
他者の回答は必ず見るように(これは良い成績をあげるために、カンニングはかならずやるようにということである。)


1.第一関門
生活に必須の学問は、小学生の時に教わる。それは挨拶だったり、読み書きだったり、算数だったりする。
割と必要な学問は中学生の時に教わる。それは憲法の知識だったり、古文や簡単な英語だったりする。
高校ではあまり使い道のない学問を教わる。大学ではさらにその傾向が強い。

言い換えれば、小学校がメジャーな知識体系を学ぶところであり、大学はマイナーな知識体系を学ぶところである。


問題A.ではなぜ、マイナーな知識を学ぶ必要があるのか? メジャーな知識を反復させることでエキスパートにする、すなわち高校、大学で小学生と同じ教育を施して完璧に履修させた方が、実生活では役に立つのではないか? この問いに対し、回答を返せ。

問題B.なぜ高校を辞めた人間が頭の固い大人によって差別されなければならないのか。問題Aを踏まえて頭の固い大人の論理を解き明かせ。

問題C.問題A、問題Bを踏まえた上で、なぜ自分が勉強しなければならないのか、これを好きだからとか、趣味以外の概念を使って説明せよ。

(高校生のための注:概念とは、その範疇(範囲)にあるイメージを言う)



2.第二関門
勉強とは知識を学び、方法論を学び、考え方を磨くところである。
知識がなければ駄目だし、方法論を知らなければやりにくいし、考え方がしっかりしてないと認められないし役にたたない。
学ぶ知識は広範である程よい。方法論は多彩であるほど良い。考え方は単純であるほど良い。



問題D.勉強において、なぜ広範な知識があるほうがいいのか。自分に当てはめた場合、どうなのか。

問題E.勉強において、方法論はなぜ多彩でなければならないのか。もっとも効果的な方法論を一つ学べばいいはずなのに、なぜ学校では複数の解法を教えたがるのか?自分に当てはめた場合、どうなのか。

問題F.人間、考え方がしかっりしていると誉められる。単純であるほど畏怖される。これはなぜか。なぜ考え方がしっかりする必要があるのか、単純にする必要性はなんなのか。


3.第3関門
知の勉強とは筋力トレーニングと同じで、怠ると低下する。だから毎日やらなければならない。それは太刀と同じ。日々磨き上げなければ輝きも鈍る。

勉強とは修練であり、修練とは流れである。なぜなら実戦が流れであるからである。

修練は流れ。実戦も流れ。人の生き様も、世界も流れ。
学ぶことは流れに乗ることであり、流れることによって生をえることになる。
流れることは生きることである。

流れを絶つことを、殺すという。
流れを絶つのは自分より弱い流れなら出来るも、より強い流れには対応できない。
またそれは、同じ流れという同輩を絶つことにもなる。同輩を殺すな。
武は流れを絶つにあらず、武は流れを制覇するにあり。
これより上はただ一つ。王なり。


修練は流れだよ。流れがなんたるか学びなさい。
人の輪郭を見るのをやめて、流れを気取りなさい。それが出来れば、免許皆伝だ。

万物には枠がない。万物にはゆらぎがある。ゆらぎと流れを感じることが出来れば、それは世界により近いということだよ。そして誰も、世界には勝てんのだ。

(壬生谷流剣術師範の言葉)


問題G.流れとはなにか?

問題H.輪郭を見なくなった時点で、流れを感じるようになった時点で、その人間は、どうなるのか。

問題I.制覇とはなにか。

問題J.なぜ世界には誰も勝てないのか。

問題K.修練をすれば、なぜ流れを感じることが出来るようになるのか。



4.最終関門
さあ、これからは貴方の話だよ。手を叩き、目を醒ましなさい。
手を叩けば流れが変る。こう、ポンポンっと。

さあそれではおさらいです。

問題L.貴方は、何を学ぶのか?

問題M.なぜ、学ばなければならないのか。


よろしい、それは自分自身でこの項に決着をつけましょう。

問題N.なぜこの課題を3回とかせる必要があるのか。

問題O.なぜこの課題回答が公開されなければならないのか。


そしてなにより大切なことを貴方は考える必要があります。

問題P.勉強した結果、どんな人間になりたいのか?

問題Q.どんな勉強をすれば、そうなれるのか。

問題R.問題Qを実践する場合の問題点はなにか?

問題S.問題Rで示された問題点を突破する方法は?方法を思い付かないなら、どうすればいいのか?


自分の言葉で答えなさい。

問題T.なぜ皆が勉強する必要があるのか?

問題U.社会の発達段階で、なぜ皆が勉強するようになったのか。


よろしい。では少しだけ流れを拡大しましょう。
学ぶ貴方に対して、教える方も存在します。勉強と言うものは、両方なければ存在できません。
自分だけでなく、周囲を見る訓練をしましょう。自分だけで世界が出来ているわけではありません。

問題V.理想の教育者とはなにか?

問題W.なぜ理想の教育者が物を教えなければならないのか。


よろしい。それでは最後の問題にいきましょう。

問題X.なにがよろしいのか。

問題Y.なぜこんなに問題が多いのか。

問題Z.最後の問題は、空欄です。自分で問題を書いて自分で解きなさい。


 やはり自習課題に較べて格段に難易度が上がっている。

「まあ、このくらいはやってもらわないとな」

 竹田津はつぶやいた。

 

(*注意* 登場する人物、団体等は、全て架空のものです)