そして「規定では」最後の3回目がやってきた。

 そこで竹田津は重量級の爆弾を投下した。


No.526/あえて第3回「解答」
投稿者/ taked2@1000 -(2001/09/24(Mon) 14:49:30)

    入学課題(なぜ勉強をしなければならないのか 単位1)

    解答3回目(9月24日)

    今回も同輩の意見をカンニングしました(大感謝!)。そして今回はプロ棋士の「村山聖」を中心に、全問あえて「解答」を返します。なお設問の中の「自分」というのは「村山聖」と読み替えています。
    この解答の参考になったのは「聖の青春」です。この本に出会えたことを何よりも感謝します。
    (なお「Q&A」に出した予定稿は、手元に資料がなかったのでデータで間違っていた個所がありました。特に村山聖が奨励会を突破したのは「5年11ヶ月」ではなく「2年11ヶ月」です。最初にお詫びします)。



    1.第一関門 

    > 問題A.ではなぜ、マイナーな知識を学ぶ必要があるのか? メジャーな知識を反復させることでエキスパートにする、すなわち高校、大学で小学生と同じ教育 を施して完璧に履修させた方が、実生活では役に立つのではないか? この問いに対し、回答を返せ。

    将棋の世界においては、高校、大学といった学校は何の役にも立ちません。現在の日本のカリキュラムにおいては高校、大学でプロの棋士になる方法を教えている所は、ひとつもないからです。
    また「将棋」というのは単なるゲームであり、世間一般でいう「生産性のある仕事」ではありません。その意味からすれば「実生活に役立つか」といわれれば、「No」です。
    しかしプロ棋士というのは、世間一般の企業、特に大企業のような所の会長や社長といった人たちからも尊敬、畏敬の念を持って見られていますし、大新聞社やテレビ局の多くが争ってタイトル戦を主催したがります。

    なぜ、エコノミックアニマルとまで呼ばれた日本で、生産性のない将棋がここまで優遇されるのか?

    それは将棋を指してきた人、それも職業として指してきたプロ棋士の戦いや生き様が、一般の人、頭が固い大人たちにも、憧れと尊敬を持って見られてきたからです。

    そして、今回はその中でも「村山聖」を中心に話を進めます。


    > 問題B.なぜ高校を辞めた人間が頭の固い大人によって差別されなければならないのか。問題Aを踏まえて頭の固い大人の論理を解き明かせ。

    ことプロの将棋の世界では学歴は一切考慮の対象にはなりません。プロ棋士の紹介では「生年月日」「出身地」「師匠」「昇段履歴」「タイトル履歴」(日本将 棋連盟のホームページを見れば分かるでしょう)、そして棋譜、それが全てです。

    将棋の世界においては、大学に行ってからプロ棋士になった人はほとんどいません。なぜなら、プロ棋士になるには年齢制限という大きな壁があるからです。唯 一のプロ養成組織である「奨励会」に入るのが19歳まで、そしてプロ棋士として認められる四段に昇段するのが26歳の誕生日までと決められており、一切の 例外はありません。それまでにプロになれない人は、強制的に奨励会を退会させられ、一生プロ棋士になることはできません。

    そのためプロ棋士を目指す人は小学校や中学校、遅くても高校までに奨励会に入ります。通常、高校に行く人は少なく(昇段のための公式対局の邪魔になること が多いからですが、最近では高校側の理解もあり違うようです)、そのため、プロ棋士の最終学歴は「中学校卒業」が普通です。

    しかもいくら努力しようが、才能があろうが、昇段の対象にならなければ昇段できません。地元では、神童、天才少年といわれた子供達でも奨励会に入れば、普 通は「ただの人」です。そのため10人中9人までは奨励会に入っても、プロにはなれません。26歳の誕生日までに四段になれれば「プロ棋士」ですが、そう でなければ「中卒のただの人」です。そのため、プロ棋士を目指す子供は十代の頃から自分の誕生日が来るのを恐れる、といいます。

    プロの将棋の世界においては、高校を辞めた人間が差別されることはまったくありません。それは「高校を辞めた=プロ棋士になった」ということだからです。


    > 問題C.問題A、問題Bを踏まえた上で、なぜ自分が勉強しなければならないのか、これを好きだからとか、趣味以外の概念を使って説明せよ。
    > (高校生のための注:概念とは、その範疇(範囲)にあるイメージを言う)

    プロ棋士になるには、一般の学校教育は、まるで意味を持ちません。有効な手段といえばプロ棋士の門下になるか、あとは独学をする以外、道はありません。そ れに門下生といっても、実際にあるレベル(師匠が入門を許可するレベル)まで行くには自得する以外になく、独学を避けて通るわけにはいきません。

    村山聖は5歳の頃に重いネフローゼに罹り、一般の小学校に行く事はできませんでした。村山聖が入院した病院は、重度の病気の子供ばかりが集められた病院で あり、昨日まで一緒にいた子供が、次の日、いなくなっていることも珍しいことではありませんでした。彼らは未来の希望どころか、明日生きていられるかどう かさえ分からない、絶望(というのも他人だからいえること)の場所にいました。

    そんな中で村山聖が見つけたのは「将棋」でした。病状がひどいときはベットから動く事さえ許されず、そんな中で唯一の希望として見つけたのが父親が慰めに 教えてくれた将棋でした。彼は週に一回見舞に来る母親に将棋の本をねだり、それを何冊も読み続けました。人から見るとそれは「壮絶な独学」だったに違いあ りませんが、彼はそうする以外に希望を見つけるすべはなかったのです。

    そうして何年か経ち、いくらか病状がよくなって外出許可がもらえるようになった時、彼は地元の将棋道場に行き、はじめて自分の知り合い以外の人と対局する 機会を得ました。それまでほとんど人と対戦したことのない、独学だけで将棋を学んだ子供の実力が「アマ四段」。これは異例中の異例のことであり、アマ四段 といえば「奨励会」に入会できる実力です(奨励会でいえば「プロ六級」に相当します)。

    なぜ村山聖は勉強したのか。それは「生きていくために、それ以外の道が何も残されていなかったから」です。

    2.第二関門

    > 問題D.勉強において、なぜ広範な知識があるほうがいいのか。自分に当てはめた場合、どうなのか。

    将棋において定石、つまり勝利への最も確率の高い手筋を知っていることは、知らない人にくらべて圧倒的に有利です。プロの棋士にアマチュアが勝てないのは そのためです。広範な知識がある(多くの定石を知っている)のは、将棋に勝つために必要だからです。

    村山聖は、奨励会時代からベテランのプロ棋士に「終盤は村山に聞け」といわれるぐらい、終盤力には定評がありました。プロ棋士同士の対戦で勝敗を決するのは終盤の読み合いであり、これは広範な知識が不可欠です。

    村山聖は、勝負に勝つため、特に終盤力を強化するために、広範な知識を必要としました。

    > 問題E.勉強において、方法論はなぜ多彩でなければならないのか。もっとも効果的な方法論を一つ学べばいいはずなのに、なぜ学校では複数の解法を教えたがるのか?自分に当てはめた場合、どうなのか。

    先年、七冠王になった羽生義治は、それまで悪手とされていた手(つまり他の棋士が意味がないと検討しなかった手)から、効果的ないくつかの定石を生み出しました。それが前人未踏の七冠王という偉業の原因のひとつといわれています。

    定石を覚えることは将棋に勝つための原則ですが、高段者同士になると既知の定石だけでは確実に勝つことはできません(双方知っているからです)。そのため には定石を拡大する、つまり自分だけの定石を作り出すことが重要です。そのため学校では複数の解法を教えたがります。

    序盤から中盤にかけては、ある意味「ひらめき」も重要な要素になってきます。いくら終盤力に自信があっても、それまでに決定的な差ができてしまえばそれを発揮する事はできないからです。

    村山聖は、序盤から中盤の展開で相手に引けを取らないために、複数の解法を学びました。

    なお羽生義治は、村山聖の将棋を「センス、感覚、本能に優れている」と評しています。これらは経験や努力だけでは埋められないものばかりであり、とかく努 力ばかりがクローズアップされがちな村山聖の将棋ですが、才能の上に努力が積み重なったものだったのでしょう。

    > 問題F.人間、考え方がしかっりしていると誉められる。単純であるほど畏怖される。これはなぜか。なぜ考え方がしっかりする必要があるのか、単純にする必要性はなんなのか。

    村山聖は「名人になる」ということだけを目標に、自ら持つ肉体のハンデをモノともせずに人生を突き進みました。今では将棋のタイトルも増えて「名人もその ひとつのタイトルに過ぎない」という棋士もいますが、村山にとっては将棋とは「名人になる」こと以外の何物でもありませんでした。

    「プロ棋士になり、名人になる」。考え方がしっかりしていないと、彼は幼少の時に死んでいてもおかしくありませんでした。そして将棋に対する単純さ、そして純粋さが、畏怖され、人の心を打ちました。

    彼の晩年期(というにはあまりに若すぎる年齢)の棋譜は、「勝つための将棋そのもの」であり、升田幸三に代表されるような「美学」とは無縁の将棋でした。 その棋譜を「あまりにデジタルで無味乾燥」と評する人もいますが、それこそが村山聖の棋風の真骨頂だったに違いありません。

    彼は将棋に勝つために定石を覚えたり、終盤力を強化しましたが、それはあくまで方法論にしか過ぎません。将棋の本質は「生きるか死ぬか、殺すか殺される か」ということ。それを常に直視し、単純にした村山聖の将棋は、そのために畏怖されました。


    3.第3関門

    > G.流れとはなにか?

    「道」でしょう。

    村山聖が子供の頃に病気になり、「名人になる」ことだけを夢見てベットの中で独学したのも道。師匠の森信雄と出合ったのも道、大人の勝手な理屈で理不尽な 目に遭って奨励会入りを1年遅らせざるをえなかったのも道、病気のために入退院を繰り返し公式対局を休みながら2年11ヵ月で駆け抜けたのも道、夢に届く 一歩手前の27歳で進行性膀胱癌になったのも道、しかしそれを手術しながら看護婦を隣の控え室に待機させながら深夜に渡る死闘を繰り広げたのも道、羽生と 互角以上の対戦成績を残したのも道、そしてA級に1年で帰り咲きながら最期の最期の瞬間まで「2七銀」と考えていたのも道。

    この設問の正解が「道」でなくても、解答は「道」以外にありません。


    > 問題H.輪郭を見なくなった時点で、流れを感じるようになった時点で、その人間は、どうなるのか。

    村山聖にとって「道」を進む以外に残された道はありませんでした。夢に向かって挑みつづけることしか、彼には残されていなかったのです。

    「流れを感じる」だなんだのといっていられるうちは、まだ余裕があります。それが洞察力だなんだのといっていられるうちは。その他の手段が残されている者がノーガキたれるのは、単なる言葉の遊び、暇つぶしにしか過ぎません。

    > 問題I.制覇とはなにか。

    村山聖にとって「制覇=道の達する所」とは「名人になること」以外にありませんでした。

    彼が歩んだ道は「王道」ではありませんでした。自分の進む道に立ちふさがる相手を剛腕でねじ伏せていく「覇道」を突き進みました。奨励会ではそれこそ同じ く命を削り血のにじむ思いでプロを目指した仲間や同輩を蹴落とし殺し、その屍の上でプロになりました。彼は「名人になったら将棋をやめる」が口ぐせだった そうです。

    もし、彼が名人になっていたらどうなっていたでしょう。現名人である丸山忠久に得意な戦法「先手腰掛け銀」を指されても、それを剛腕で抑え込んでいったの が村山聖です。「もし」というのは歴史に対して禁句ですが、それでも「もし」を考えられずにはいられません(大手術直後に深夜に渡る死闘を繰り広げた相手 も丸山です)。

    そして村山聖が名人になっていたら本当に将棋をやめていたのでしょうか? これだけはどう考えても分かりません。

    > 問題J.なぜ世界には誰も勝てないのか。

    「死ぬから」です。

    人間、どんなに頑張ろうが、才能があろうが、死ぬときは死にます。自分に何の非がなくても病気になるときはなります。
    それが人間としてうまれた者の宿命です。

    そして村山聖は「世界に勝つ=名人になる」一歩手前で、病気により斃れました。「斃れて後、已む」という言葉は彼に最もふさわしいのかもしれません。

    どうしてそんなことになったのか? 私は神様を信じない無神論者ですが、運命というのは時に残酷で容赦のないものだと、人の身で思います。

    > 問題K.修練をすれば、なぜ流れを感じることが出来るようになるのか。

    修練「すれば」、などといえる私達は幸せなのかもしれません。村山聖には、修練「する」以外にありませんでした。

    村山聖にとって修練とは「生きる事そのもの」でした。それを修練だのなんだのといっていられる余裕は、彼にはなかったと思います。それ以外に道はなかった のですから。彼は生きていくということと、道を進むことは同じ意味だったと思います。

    でも、私は彼を羨ましくも思います。


    4.最終関門

    ここからの問題は、村山聖を知った私本人の問題として答えようと思います。

    > 問題L.貴方は、何を学ぶのか?

    「生き方」は村山聖に学びました。その他大勢の人たちからも。
    人は学ぶために生まれてきました。それが食うため、生産的なことをのばすため、もっともらしい理由は何とでもつきます。

    でも、「何」を学ぶのかと問われれば「生き残る方法」と答えます。

    > 問題M.なぜ、学ばなければならないのか。

    「夢に挑みつづけるため」です。

    人として生まれて来、そして村山聖より長い時間を与えられた私にとって、彼のような生き方をほんの少しでも真似し、それを思い続けることが、私が彼にできる唯一の恩返しであるから、です。


    > 問題N.なぜこの課題を3回とかせる必要があるのか。

    自分がなぜ学ぶのか、そして「聖の青春」という本に出会ったのは何故だったか、考えるためです。
    そして、それを自分の深層心理に刷り込むことは、いうまでもありません。

    > 問題O.なぜこの課題回答が公開されなければならないのか。

    「村山聖」という凄い人間がいたことを、知らない人に一人でも知ってもらいたいからです。
    もし、この解答を読んで興味を持った人がいれば、ぜひ「聖の青春」を読んでみてください。

    お願いします。


    > 問題P.勉強した結果、どんな人間になりたいのか?

    自分に時間と状況が許されているなら「夢に届く人間」になりたいと思います。
    とりあえず、今のところは目の前にあるのは「ゲームの企画ができる人間」です。そして大芝村の商売敵になります(私にはまだ何の実績もありませんが)。

    そして、それを達成し自分に時間と状況が許されているなら、また次の夢を目指したいと思います。

    > 問題Q.どんな勉強をすれば、そうなれるのか。

    まずここで「芝村手法」を学び、自分なりに咀嚼、吸収し、先人達の知識や技をできるだけ発展させ、自分なりに磨き、機会があれば実戦で試し、欠点を改善し、そしてこれを繰り返します。そして重要なのは「あきらめない」ことです。

    村山聖を知った私にとって、あまり難しいこととも思いません。

    > 問題R.問題Qを実践する場合の問題点はなにか?

    自分の持ち時間が有限であることです。

    > 問題S.問題Rで示された問題点を突破する方法は?方法を思い付かないなら、どうすればいいのか?

    今以上に時間を効率的に使い、無意味なことに時間を使わないことです(ただし無駄な事には時間を使います)。そして私より若い同輩に、自分が伝えられることがあれば、それを伝えていくことです。

    そしてしつこく言えば、できれば「聖の青春」を読んでください>みなさんへ


    > 問題T.なぜ皆が勉強する必要があるのか?

    自分の夢を実現するため、もっと簡単に言えば「幸せになる」ためです。

    私たちのように、自分の夢を選べたり、その手段をあれこれできる人間は幸せです。生きている限り、望みはあるのですから。

    それ以外に方法がない、という状況にいる、そして「いた」人間も多いのです。それにくらべれば、どんな状況、境遇の人でも「生きているだけで丸儲け」です。

    それをどのように使うかは、各自の自由です。有意義に使おうが、無意味に過ごそうが、それはその人の選択です。

    でもできれば有意義に使った方が「マシ」です。


    > 問題U.社会の発達段階で、なぜ皆が勉強するようになったのか。

    将棋のように非生産的なことが、職業として認められ、尊敬されている日本は、本当に素晴らしい国だと思いますし、私も誇りに思います。

    そうでなければ村山聖のような人間を生むことも知ることもなかったでしょうから。

    なぜ皆が勉強しなければいけないかは、もう既に十分、しつこいぐらいに答えてきたと思います。分からなければ、もう一度読み返してください。

    > 問題V.理想の教育者とはなにか?

    村山聖にとって森信雄が理想の教育者だったのでしょう。そして両親、兄、奨励会の仲間、ライバルであった羽生善治や大勢のプロ棋士、目標であった谷川浩司、幼い頃に病床の本の中で出会った、大山康晴やその他大勢の先人達。
    その全てが彼の理想の教育者だったに違いありません。

    理想の教育者とは、なにも生身の人間である必要はありません。それを受け取る人間がそう思えば、それは立派な教育者なのです。

    ここ、GameDojoにおいてはアルファ社長、芝村氏、そしてここに集う全ての参加者が「理想の教育者」です。
    教育とは、何もいい面ばかりを見せることではありません。悪い面を見せることも十分に教育になるのです。
    ですから、何も表現しない人は「理想の教育者」ではないのです。

    そしてそう思う自分こそが、「自分にとっての最良の理想の教育者」です。

    > 問題W.なぜ理想の教育者が物を教えなければならないのか。

    人を成長させるのは、教育者だけではありません。学び、そして時に戦い、状況によっては(悲しいことですが)殺し合う相手が必要です。

    人が住む世界が王道楽土であれば、皆、仲良く幸せに暮らせるのかもしれません。しかし現実の世界はそうなってはいないのです。

    そのために、生き残るために、理想の教育者が物を教えなければならないのです。


    > 問題X.なにがよろしいのか。

    村山聖が、自分の人生で受けた艱難辛苦に対して、そしてもうそれが終わったことに対して「もう、よろしい」。

    > 問題Y.なぜこんなに問題が多いのか。

    村山聖という人間を知らない人にちょっとでも知ってもらい、興味を持ってもらうためには、最低限、このぐらいの数の質問が必要です。

    私はこれで表現しきれたとは、全然思っていません。

    全然足りません。

    > 問題Z.最後の問題は、空欄です。自分で問題を書いて自分で解きなさい。

    Q1.「村山聖」という人間を知ってもらえたと思うか?
    A1.読み手には少し難しい話だったかもしれません。でもとりあえず私がここに書く事で、少しは興味を持ってもらえたかもしれません。

    ご参考までに。

    「聖の青春」
    大崎善生・著 本体 1700円
    ISBN 4-06-210008-8
    http://www.bookclub.kodansha.co.jp/Scripts/bookclub/intro/intro.idc?id=22274

    Q2.課題を突破できたと思うか?
    A2.あえて回答ではなく解答を、出したので分かりません。私に「師と呼ばれる価値のある人」なら、内容からその意図を汲んでくれると思っています。


    以上。
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No.311/Re[2]: 五輪書
投稿者/ taked2@1000 -(2001/09/17(Mon) 22:48:38)


    「五輪書」の中に、これは、という個所があったので抜き出します。ただ、そのまま書いてしまうと問題ですので、内容は私が中学生でもわかるぐらいに口語訳 しました。そのため、もしかしたら違っているかもしれません。その場合は、指摘お願いします。



    「五輪書」36ページ

    私の兵法を学ぼうと思う人は、道を行う方法がある。

    第一に、実直な、正しい道を思う
    第二に、道を鍛錬する
    第三に、兵法のみならず、広く諸芸にふれる
    第四に、様々な職の道を知る
    第五に、物事の利害得失をわきまえる
    第六に、物事の真実を見分ける力、鑑識力を身に付ける
    第七に、目に見えない所を悟って知る
    第八に、わずかな細かな所まで気がつく
    第九に、役に立たない事をしない



    広い視野に立って真実を見極めるのではなくては、兵法の達者にはなれない。
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No.391/「第3回 回答」の背景・戦術(予定)
投稿者/ taked2@1000 -(2001/09/19(Wed) 18:06:56)

      今までは、回答を出した後に背景や戦術を公開してたのですが、今回は逆でいきます。ご意見があれば自由にどうぞ。


    背景

    ・ラストチャンスにかける!

    さて最終回答ですから、これをなんとしてでも突破していかなくてはいけません。そのため、とりあえずできることは全部やってみましょう。


    ・回答、Q&A、討議、その他、再確認

    さすがに課題提示から10日以上経つとかなりのデータが集まってきます。それらをもう一度、再点検します。


    ・回答の統計的分析

    皆さんの回答を各設問ごとに分類し、人数ごとの分布を見ます。そこで収束している回答があれば、正解に最も近い可能性がある答えとして、基礎的なデータにします。



    戦術

    ・「カンニングする」「流れで見る」「村山聖」で行く!

    前回、「本気」は使ってしまいましたから、今回のテーマは「村山聖」でいきます。というのもこの課題や企画、そしてGameDojoに参加するという事、 そしてプロになるという事に対して、彼の生き様は参考になると思ったからです。

    それよりなにより「村山聖という人間を知らない人に知ってもらいたい」ってのが第3回の主目標です。で、副目標が「課題突破」。なぜなら、私が課題を突破するより、その方が重要だからです。


    ・回答のすり合わせ
    テーマは「村山聖」ですが、回答を出す際には、統計的に分析した結果とすり合わせていく必要があります。これはあまり難しいこととは思っていません。彼の生き方に正解があるのですから。
    あと、これをヒントに私より先に「村山聖」で行く人がいてもかまいません。それで主目標は達成できますし、プラス、私もそれで行けば、より効果的です。


    ・最悪、合格圏に入らなかったらどうするか

    当然、戦いは最悪の事態も考えておく必要があります。もし突破できなかったらどうするか?

    当然、4回目、行きます。

    「3回目で駄目でした、ではさようなら」であきらめるほど、もの分かりのいい方じゃありませんからね。場外乱闘は得意中の得意ですから(憧れのプロレスラーはスタン・ハンセン)、とにかく突破するまでやります。

    で、それでも駄目なら? うーん、しかたない、道場を窓からのぞいて棒振りでもやりますか。
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No.396/基本戦略2
投稿者/ taked2@1000 -(2001/09/19(Wed) 21:35:11)

    基本戦略2 緒戦で勝つ

    戦い事というのは、緒戦が最も重要です。緒戦で負けてしまうと、いわゆる「負け癖」がついてしまってどうにもなりません。そのため、どんなことがあっても勝たなければなりません。

    それにこれは「企画道場」だけの問題ではありません。GameDojo、そしてゲームを作る事に希望を持っている若い同輩、まだ見ぬ同輩のためにも、ここで負けるわけにはいけません。

    学校や道場のレベルを決定するのは、第一期生の質です。それがその後の評価のほとんどを決定してしまいます。後でそれを挽回しようとすると、その何倍もの困難がありますし、しかもリベンジのチャンスがない場合の方が多いのです。

    ですから、ここは一発、ドーンと!

    勝っちゃいましょう。
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No.694/Re[1]: 後から来た私たちの討議場
投稿者/ taked2@1000 -(2001/09/30(Sun) 13:03:40)

    基本戦略3

    「戦争は誰かが勝てば、こっちの勝ち」

    って、これは私の場合に限った話ですけど。今回私が勝手に設定した勝利条件は「だれか一人でも合格圏内にたどり着けば勝ち」と想定してあったので、はっきり言って、
    「勝ちました」

    なぜかというと「師範がここで教える気になった」ということだからです。そうであれば、合格までいっていない者でも、道場の窓から眺めるなり、それを元に自分で木刀で素振りするなりの方法が与えられるからです。

    昔読んだ本で「剣に強くなりたければ、木刀を毎日、一人で一年間振りつづければ、初段の腕前になっている」というのがありました。道場で初心者にも多彩な 技を教えるのは、いわば営業的な理由。そうでないと門人が飽きて辞めてしまうからです。でも剣に強くなるには「相手より先に剣を当てる。つまり太刀行きの スピードを上げる」以外にないわけで、これは小学生でも分かる理屈です。単純だからこそ、最も修練が困難なもの、真理はいわれてみれば、ごく単純なことで す。

    でもやっぱり道場の外から眺めるよりやっぱり手ずから教えてもらった方がいいですよね。

    がんばりましょう。
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No.528/補足
投稿者/ taked2@1000 -(2001/09/24(Mon) 15:00:59)

      第3回目を出しましたが、補足を。

    背景

    ・なぜ「回答」ではなく「解答」を出したか?

    彼の生き方は「正解」だったからです。「回答に本来正解はない。かえってくるこたえのこと。」とは、どうしても言えません。ですからあえて「解答」を返しました。



    戦術

    ・「読んだ人に『おみやげ』を持って帰ってもらう」

    これは私の文章の師匠が言った言葉ですが、「何かを文章で表現しようとするなら、必ず読んだ人に『ああ、ここは知らなかったな』とか『読んでおみやげもらったな』と思うような物を書きなさい」と言われています。

    今回は入学試験の回答(解答?)ですが、掲示板に公開し、何百人の人に見てもらうためには、「私信」ではなく「作品」を作らなければなりません。

    最後にこれを注意しました。


    以上。
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「まあ、通常の攻撃ならこれでOKだろ」

しかし竹田津の場合は普通の指揮官とはちょっと違う。勝負はこれからだと思っていた。

 


場外戦

 それは次のメッセージから始まった。


No.505/Re[4]: 質問
投稿者/ 芝村@師範 -(2001/09/23(Sun) 15:05:19)

    > >>> ・第3関門について
    > >>Q:問題Hの状態になった人間は、既に流れを制覇していますか?
    >>
    >>していない。行動なしにそれはない。
    >
    > では、その人間は流れを制覇しようと行動すれば、容易にそれを成せますか?

    容易ではないでしょうね。
    平均台を渡るのは簡単ですが、これが静止軌道上でやれと言われると難しい。
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「おいおい、静止軌道上で平均台渡るなんて簡単に決まってるじゃないか」

 だって、地球の重力と遠心力が釣り合っているからこそ「静止」軌道である。そこで平均台から足を踏み外したって、どちらか側に落ちるなんてはずはない。

 竹田津は交ぜっ返す意味で次の問答を行った。


No.508/Re[3]: Q:質問へのレスより
投稿者/ taked2@1000 -(2001/09/23(Sun) 20:02:41)


    >>>>では、その人間は流れを制覇しようと行動すれば、容易にそれを成せますか?
    >>>容易ではないでしょうね。
    >>>平均台を渡るのは簡単ですが、これが静止軌道上でやれと言われると難しい。
    >>平均台を渡りきるだけなら誰にでも出来ますか?
    >
    > 出来んやつもいる。 それは人次第。

    アルプスのてっぺんの高さにある平均台なら難しいと思うのですが、静止軌道上でも本当に難しいですか?
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No.511/Re[4]: Q:質問へのレスより
投稿者/ 芝村@師範 -(2001/09/23(Sun) 22:23:47)

    > > >>>>では、その人間は流れを制覇しようと行動すれば、容易にそれを成せますか?
    > >>>容易ではないでしょうね。
    > >>>平均台を渡るのは簡単ですが、これが静止軌道上でやれと言われると難しい。
    > >>平均台を渡りきるだけなら誰にでも出来ますか?
    >>
    >>出来んやつもいる。 それは人次第。
    > >  アルプスのてっぺんの高さにある平均台なら難しいと思うのですが、静止軌道上でも本当に難しいですか?

    普通のコネではそこまでいけないし。行くにはお金がかかりすぎる。
    出来ないわけではないが、常識人は平均台しに静止軌道には
    いかないでしょう。
    そもそもバンアレン帯の外で船外活動というのは、
    例え宇宙服を着ていても危険だ。
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No.512/Re[5]: Q:質問へのレスより
投稿者/ taked2@1000 -(2001/09/23(Sun) 22:41:24)

    >>>  アルプスのてっぺんの高さにある平均台なら難しいと思うのですが、静止軌道上でも本当に難しいですか?
    >
    > 普通のコネではそこまでいけないし。行くにはお金がかかりすぎる。
    > 出来ないわけではないが、常識人は平均台しに静止軌道には
    > いかないでしょう。
    >  そもそもバンアレン帯の外で船外活動というのは、
    > 例え宇宙服を着ていても危険だ。

    なるほど、読みが深い
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 またこんな場外戦もあった。


No.470/質問
投稿者/ taked2@1000 -(2001/09/22(Sat) 16:33:29)

      ところで、この課題は、師範自らの回答は公開されるのでしょうか?

    今までは自習課題ということもあり講評だけで満足していたのですが、まあ正式課題となると、やはり模範回答で勉強して師範の技を盗みたいという期待があります。

    本業の方もお忙しいとは承知していますが、ここは一発、プロの技の三連発というのも、ぜひお願いできないでしょうか?

    契約ってのは両方がハンコなりサインをしてこそ、契約ですよね?

    できれば、よろしくお願いします。
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No.497/Re[2]: 質問
投稿者/ 芝村@師範 -(2001/09/23(Sun) 12:35:50)

    >  ところで、この課題は、師範自らの回答は公開されるのでしょうか?
    > >  今までは自習課題ということもあり講評だけで満足していたのですが、まあ正式課題となると、やはり模範回答で勉強して師範の技を盗みたいという期待があります。
    > >  本業の方もお忙しいとは承知していますが、ここは一発、プロの技の三連発というのも、ぜひお願いできないでしょうか?
    > >  契約ってのは両方がハンコなりサインをしてこそ、契約ですよね?
    > >  できれば、よろしく]お願いします。

    模範回答するつもりはありません。また、個別に講評するつもりもありません。
    それらをするとこの課題は意味がなくなるのです。

    貴方は勘違いを三つしておられる。

    一つ目に学び方、貴方で言うところの盗み方を間違っておられる。
    カンニングの極意は答えを見ることではありません。

    二つ目に、プロが同じ問題を三連発で解くことはありません。
    大概の場合、一回やってできなかったら、終わり。首か左遷です。
    同じ問題に挑戦できるのは、学生だけ。

    最後に、私がやりたいのは私のデッドコピーを作ることではありません。
    私がやりたいのは個人個人の個性を尊重しつつ、
    能力を伸ばすことです。

    これと同じ形態の授業を貴方らは遠い昔に受けているはずです。
    それと同じですよ。 ただ、忘れているだけ。

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「まあ、ここで勝ってもあまり戦略的な意味はないからな」

 竹田津は矛を収めた。

 そして時間遅れを理由に「回答期限を延ばしてくれ」という同輩にはこんな注意もした。


No.561/戦術以前の問題
投稿者/ taked2@1000 -(2001/09/25(Tue) 16:39:40)

      戦術の基礎の基礎

    1.時間に遅れない・言った以上はやる

    戦いに遅れるのは、戦い以前の問題です。いくら途中で忍者の軍団に襲われようが、予定戦場に予定までに到着できないのでは、親父の叱責を浴びて当然です。 もしこれで金吾殿が裏切らなければ、本当にメッケル少佐の言う通りになったかもしれません。

    課題の最終提出期限が2週間後、しかもスタートは各自で選べる、そんな条件でいまさら「遅れる」などというのは、普通だと言い訳になりません。

    「期限に遅れない」
    「言った以上は、どんなことがあってもやる!」

    ここは学生向けの戦場のようですから随分と甘いようですが、そんなことはプロ、アマ以前の問題です。

    って、これだけ偉そうなことを言っておけば、自分で遅れることはできんぞなもし。そのために書いてますね(苦笑)
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No.562/Re[5]: 戦術以前の問題
投稿者/ duvet@1023 -(2001/09/25(Tue) 16:53:45)

    レスするのは初めましてですね、duvet(デューベイ)といいます。よろしくお願いします。
    時間に遅れないように提出しないというのは、その通りですね。
    幸か不幸か遅延願いを出して間もなく、師範からの返答もない状態だったので
    遅延願いを削除してきました。
    残り時間で時間どおりに見苦しくない最終回答を提出したいと思います。
    taked2さんの記事で遅延願いを削除する気になったので、お礼です。
    ありがとうございました。
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「まあ、若い同輩の手本にならないとな」

竹田津は画面に向かって軽く笑った。

 

(*注意* 登場する人物、団体等は、全て架空のものです)