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TOP  >  ドキュメント  >  小説  >  架空戦記「GameDojo大戦」(仮名)  >   第5~6回会戦

 竹田津の情報戦の定義は「物量はすべてを凌駕する」である。そう、アメリカの絨毯爆撃のような攻撃を基本としている。

 そのため4回目が認められさえすれば、それはもう既成事実と化す。そうなれば、その次も、またその次もドンドン矢を放つつもりでいた。


No.796/Re[1]: 後から来た私たちの討議場
投稿者/ taked2@1000 -(2001/10/03(Wed) 14:42:51)

      えっと、今回というより私が「企画」を考える時の基本姿勢を書いておきます。あくまで私個人、一市民の意見です。

    (1)範囲ぎりぎりを狙う
    大多数の意見はまあオーソドックスなわけですが、そこで勝負するとなると完成度を上げなくちゃいけない。それこそ「普遍性」といったレベルまでもっていかないとインパクトが弱い。
    そこで少数の意見ってのが狙い目なんだけど、そうするといわゆる「外した」場合には大失敗となってしまいます。ぎりぎり、できれば線上ってのが一番いい。 相対的に完成度が低くても、インパクトが強いですから。またインパクトが一段と強いと「枠を広げる」ことも可能になってきます。これで完成度が高ければ、 かなり勝負になります。

    少数の意見ってのは「単にマイナー」である場合と、メジャーがまだ気がついてないだけ、つまり「メジャー予備軍」である場合があるわけで、ここらへんの鉱 脈を探すのは、嗅覚ではなかろうかな、と。まあ、これは時勢とかいろいろなパラメータも絡んできます。

    「楽しい自習課題」の占いでは「超攻撃型」なんで、まあそれは仕方ないですね。


    (2)戦略・戦術の本質
    問題の中で「全体で何を問われているのか」をまず、はじめに考えます。まあ、突発的な問題であれば各個撃破でもかまわないのですが、相手も戦略的に来る場 合はこっちも戦略的にいかないと勝負になりません。最初に「出題者の問題意図」を考えるのが重要です。

    ある程度これが読めてきたら、今度はそれに対してこちらでもいくつかの戦略を考えます。戦略ってのは、基本方針っていうか目的っていうか、つまりは「やり たい事」。それがハッキリすれば、あとはいくつかの戦術(具体的方法)を組み合わせていけばいいです。

    優れた戦略・戦術ってのは、いってみれば「算数程度」のもの。「数学」ではありません。つまり専門家でなくて普通の人が十分に理解できるものでなくては「優れた戦略・戦術」ではないといことです(これは「坂の上の雲」からの受け売り)
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そして第5回会戦。


No.935/第5回回答
投稿者/ taked2@1000 -(2001/10/07(Sun) 08:47:04)

    入学課題(なぜ勉強をしなければならないのか 単位1)

    第5回回答(10月7日回答)

    もう、ここまで来ると完全に「趣味の世界」です。まあ前回の4回目も別に採点うんぬんなんてハナから考えてなかったので、いっそのこと、ここは5回目にチャレンジします。

    今回のテーマは「波乗りで海から学んだこと」。そしてサブテーマは「5回目にベストを叩き出すことができるか」ということです。

    なお最初に断っておきますが、波乗りといっても私は「サーファー」ではありません。「ボディボーダー」ですのでお間違いなく。

    > 1.第一関門

    > 問題A.ではなぜ、マイナーな知識を学ぶ必要があるのか? メジャーな知識を反復させることでエキスパートにする、すなわち高校、大学で小学生と同じ教育 を施して完璧に履修させた方が、実生活では役に立つのではないか? この問いに対し、回答を返せ。

    最近では湘南あたりの高校では、プロサーファーを目指す男の子の「サーフィンのトレーニング」も課外活動として認められているようで(いい時代になったも んだ)、まあ、これは将棋まではいかないとしても、これも世間の認識が変わってきた証拠。いっそのこと「サーフィン」または「ボディボード」がメジャーな 知識になって、小学校あたりから教えてくれるともっといいんだけど。「スキー」ならそういうこともあるのだし(まあ、雪国だとスキーを滑れるってことは 「メジャーな知識」だもんなあ)。

    うーん、もともとボディボードなんて趣味以外の何物でもないし、これで「プロ」になっている人って、世界でも100人前後だと思うのです(トーナメントプ ロのこと。サーフショップのレッスンプロは除きます)。ですから私の実生活に役立つかといわれれば「直接は役立ちません」。大体、私はヘタクソです。

    でも「直接は」ということは「間接には」役立っているわけで、今回はそれを少しばかり書いてみようと思います。

    > 問題B.なぜ高校を辞めた人間が頭の固い大人によって差別されなければならないのか。問題Aを踏まえて頭の固い大人の論理を解き明かせ。

    ここはあえて「高校を辞めた人間」じゃなくて、「なぜ波乗りする人間が頭の固い大人に差別されなければならないのか」について話してみます。

    まあ言ってしまえば「波乗りする人」のイメージが悪い。昔から葉山に住んでた友人(波乗りをまったくしない人)が、「いやあ、うちの田舎じゃサーファーのことを、昔は『海コ○キ』って呼んでたんだよ」って言ってました。
    確かに、普通、海に出る人って漁師さんか海女さんが一般的で、いわゆる「仕事として」入っているわけです。で、波乗りする人ってのは「完全に趣味」で入っている人がほとんどだから「遊んでる」って見られるわけです。
    特にアホウな「サーハー」が地元の漁師さんの網を破ったり、勝手に焚き火したり(日本の海岸のほとんどは焚き火禁止)、特に台風のシーズンとかになると毎 年何人かの大馬鹿サーハーが波に流されてその救助で大騒ぎになったり、あと「陸サーハーモドキ」がお姉ちゃんをナンパするためにそれらしいカッコして問題 おこしたり、まあ、いろいろやってくれます。
    ですからローカル(地元のサーファ)の人たちは、海をキレイにしたり、かなり苦労や努力をしています。でも大体、他から来たアホウどもがそれをぶち壊していくわけです。

    ゆるせん!

    いや、この問題の答えからは大きく外れてしまいましたが、「いい年こいて海で遊ぶんじゃない」ってのが、その根本である気がします。

    > 問題C.問題A、問題Bを踏まえた上で、なぜ自分が勉強しなければならないのか、これを好きだからとか、趣味以外の概念を使って説明せよ。

    >(高校生のための注:概念とは、その範疇(範囲)にあるイメージを言う)

    まあ、問いで禁止されているので反則なのですが、「海が好きだから」につきます。

    私の職業はプログラマなのですが、この手の仕事をしてると「肉体的感覚が希薄になる」時があります。「ウルトラ集中モード」なんてときは半分「電脳世界に トリップ」してますし、大体、1日12時間以上もキーボードに触れていれば、普段必要なのは目と指と脳だけ。これは大変よろしくありません。

    これは持論なのですが「人間、頭と身体の働きのバランスがとれてちょうどいい」と思っています。ですからハードに頭を酷使すると、絶対、それに見合うぐら い肉体を使わなければいけません。昔は、6ヶ月プログラマをすると6ヶ月は肉体労働する、ってのが基本だったのですが、年取ってくるとそうもいきません。

    そのため、最近では休日などにはプールで泳いだりしてるのですが、これはどうもお手軽過ぎていけない。やはり「ハードな海」に挑戦する必要があるのです。

    > 2.第二関門

    > 問題D.勉強において、なぜ広範な知識があるほうがいいのか。自分に当てはめた場合、どうなのか。

    何しろ、自然の「波」が相手ですから、相手はいつやってくるか分かりません。特に初めて入る海だと、どんな風に波が立つのか、広範な知識がないと「半日、波の上にいたのに1本も乗れなかった」(泣)などということもあるのです。

    時期、天候、地形、海流、風向、満干潮の時刻、その他もろもろ。それらの要素がかみ合って「いい波」が立ちます。

    いい波に乗るためには、当然、それぐらいのことは知っていないといけないのです。

    > 問題E.勉強において、方法論はなぜ多彩でなければならないのか。もっとも効果的な方法論を一つ学べばいいはずなのに、なぜ学校では複数の解法を教えたがるのか?自分に当てはめた場合、どうなのか。

    海の波ってのは、同じ形、同じ大きさ、同じ速度の波なんて絶対にありません。また自分がいる場所と波のリップ(一番力のある所)の位置関係においても、同 じ事なんてありえません。特に、人が密集している場所では、いい波に自分が乗れるとは限りません。

    一期一会。だから波乗りは面白い。

    もともと波乗りには「もっとも効果的な方法論」なんてのはありません。ですから多彩な方法を学ぶ以外にないのです。

    > 問題F.人間、考え方がしかっりしていると誉められる。単純であるほど畏怖される。これはなぜか。なぜ考え方がしっかりする必要があるのか、単純にする必要性はなんなのか。

    ハッキリ言って波相手では人間なぞ、ひとたまりもありません。私は元水泳部ですから今でもプールだと1分は潜っていられますが、波に巻かれたときは20秒がせいぜいです。

    先に「台風の時にでていくアホサーハー」の話をしましたが、ベテランやうまい人はどんなに大きな波が入ってこようが、自分の力量を越えるような波には入っ ていきません。それを知らないで無茶するヤツは、怪我しようが骨折ろうが最悪死のうが自業自得。考え方がしっかりしていると、無茶しないので誉められま す。

    でも「それでもデカイ波に乗りたい」という、正真正銘のサーファーも中にはいます(きわめて稀ですが)。ある意味、自分の命すら犠牲にすることを省みない (しかも、それができたからって別に銭になるわけでも有名になれるわけでもないのに)その単純さは畏怖されます。

    でも、海に限っては、そんな風に単純にはしてもらいたくない(後始末する人のことを考えて欲しい)と思うのです。



    3.第3関門

    > 問題G.流れとはなにか?

    まあ、波乗りに「流れって何?」って聞くと、ほとんどの人は「カレントのことだろ」っていいます。カレント(リップカレント。離岸流)ってのは「浜から沖 に向かって流れる流れ」のことです。これに乗ると、楽に沖にでることができます。でもこれに乗れないと、たった10m沖に出るのに何発も波をくらって、浜 に打ち上げられることもあります。

    海の中には白線など引かれていませんので、初心者ではカレントを見極めることは非常に困難です。まあ、地形とか潮の泡とかいくつかヒントもあるのですが、 羽伏浦のような非常にフラットなビーチブレイクの場所では、波のタイミングによってもカレントの場所が変わってくるので、それを見極めるのは大変です。

    > 問題H.輪郭を見なくなった時点で、流れを感じるようになった時点で、その人間は、どうなるのか。

    「ハワイの若大将」などでは、なんかすごく簡単に板の上に立っているのですが(しかも重心が後ろよりで、どっかと乗ってる)、なかなか、ああはいきません。

    まあ、才能や個人的な向き、不向きにもよるのですが、なかなかコンスタントに「波に乗る」ことは難しいのです。それに波ってのは、知らない人はどこも同じ ように見えますが、パワーのある場所(リップ)とまったくない場所(ショルダー)ってのはまるで違うのです。パワーがない場所では、絶対に乗れません。よ く波乗りする人が、最初、波に合わせてまず横に泳ぎますが、あれはパワーのある場所に向かっていいポジションを取ろうとしているのです。
    その後、波がくるタイミングに合わせて、浜の方向に全力で泳ぎますが、その時、「波のパワーを感じない」と乗れません。よく浜からは「なんであんな大きな 波に乗れないんだろう」と思う人がいるかもしれませんが、それは「タイミングを外してしまったから」です。

    流れを感じるようになったら「波に乗れます」。

    > 問題I.制覇とはなにか。

    波乗りに「制覇って何?」って聞けば、「そりゃ、気持ちよくライディングできた時に決まってるじゃん」というでしょう。

    波のような気まぐれな物を相手に、自分の思った通りのマニューバー(イメージラインというか、軌跡といえばいいかな?)を描くことができたら、それは「制覇」と呼ぶにあたるでしょう。

    私の場合、10年以上やって、まだ制覇の「セ」の字も達成していません。

    > 問題J.なぜ世界には誰も勝てないのか。

    そりゃあ当たり前です、「波に人間が勝つことなんてできるわけありません」。

    ウソだと思ったら、新島の羽伏浦で頭(1.5~2m)ぐらいの波に巻かれてみればいいです。自分が軽く考えていたものが、どれほど強烈だったのか身をもって知るでしょう。
    しかも、「波は容赦がありません」。死ぬ思いで波の上に頭が出て「ああ、これで息が吸える」と思っても、そこに第二波、第三波を叩きつけてくるなんて、普通です。こうなると普通の人は「溺れます」。

    人間は、どうあがいたって自然には勝てません。

    > 問題K.修練をすれば、なぜ流れを感じることが出来るようになるのか。

    それほど苦しい思いをしても、波に乗りたいのは、うまく乗れた時の一瞬の感動を何度も味わいたいから。そのためには何度も失敗しても、うまく乗れるように修練を続けるしかありません。
    また、大きい波に乗るには、その前段階として沖に出れないといけませんから、それなりの泳力が必要ですし、そしてバランス感覚も必要です。これらは、修練以外では身につきません。

    そして、波を感じるためには、何度も何度も海に行って、時には巻かれるしかありません。

    そして流れを感じることができるようになれば、修練など屁でもありません。

    4.最終関門

    > 問題L.貴方は、何を学ぶのか?

    人間と海の関係。そしてうまく「波乗り」をする方法。

    > 問題M.なぜ、学ばなければならないのか。

    いままでより、もっとうまく波にのりたいからです。だって、ヘタクソのままでは悔しいですから。

    制覇なんておこがましいことは考えていませんが、それでもヘタクソはヘタクソなりにもっと気持ちよくなりたいですから。

    > 問題N.なぜこの課題を3回とかせる必要があるのか。

    もう5回目ですが、今回は「完全に趣味」です。
    そして、最近めっきり寒くなって海から遠ざかっているので、それに対して鬱憤が溜まっているのかもしれません。


    > 問題O.なぜこの課題回答が公開されなければならないのか。

    波乗りのよさ、怖さ、そしてなにより素晴らしさを知ってもらいたいからです。

    鯨は、地上に上がった哺乳類がもう一度海に帰ったといわれています。やっぱり私も、少しぐらいは「鯨の気持ち」が分かる気がします。

    > 問題P.勉強した結果、どんな人間になりたいのか?

    どんな大きな波がきても、敢然と沖に泳ぎ出て、自分の思い通りのマニューバーを描くことのできる波乗り。

    理想ですね。

    > 問題Q.どんな勉強をすれば、そうなれるのか。

    まあ、夏と連休中だけでなく一年中海に入っている生活を5~6年も続ければできると思います。

    また自宅では毎日身体を鍛え、有酸素運動をし、規則正しい食生活で海に負けない身体を作ることです。

    > 問題R.問題Qを実践する場合の問題点はなにか?

    家の近所に海がないこと。

    もうひとつは、プログラムの仕事が忙しすぎて、「海に負けない身体を作る」時間がなかなか取れないことです。

    > 問題S.問題Rで示された問題点を突破する方法は?方法を思い付かないなら、どうすればいいのか?

    いっそのこと、新島に引っ越して、毎日海に入っていればできるでしょう。

    ただし、向こうで生活できるだけの仕事をどうするかが目下の悩みの種。いっそのこと「プログラムのできる漁師」ってのも考えていましたが、漁師さんの仕事ではそんな悠長なことは言っていられないのでボツ。

    > 問題T.なぜ皆が勉強する必要があるのか?
    > 問題U.社会の発達段階で、なぜ皆が勉強するようになったのか。

    これは「なぜ皆が波乗りする必要があるのか」で答えます。

    それは「人間と自然の関係」をもう一度よく考えてもらいたいからです。テクノロジーが進むと「人間は自然を支配できる」などという、驕り高ぶった考えがでてきます。でも、それは大きな間違い。

    最近「地球に優しく」っていう言葉をよく聞きます。でも私はこの言葉に非常な違和感を覚えるのです。「地球に優しく」ってのは「人間が住めるような地球を 守るために優しく」ってことで、実は自然自体は元々傷ついちゃいない。オゾンホールが広がろうが、困るのは人間と生物であって、地球なんてちーっとも困っ ていないのです。

    まず人間が自然と素直に向き合うこと。波乗りを通じて、それは感じることができると思うのです。

    > 問題V.理想の教育者とはなにか?
    > 問題W.なぜ理想の教育者が物を教えなければならないのか。

    小池葵です。

    というのも今から5年ぐらい前なのですが、まだ全然無名の小池葵が羽伏浦に入っていたのです(当時は高校生ぐらいだったかな)

    当時、私たちは単純に「縦乗り」、つまり波にのって単に沖から浜に流されるのを楽しんでいるだけでした。しかし、彼女は私たちの前で、次から次へと見たこともない技を連発したのです。

    もう、おじさん、ビックリ。

    特に彼女が完璧なエルロロを決めたときに、私は彼女の進行方向(10mは離れていましたが)からそれを目撃しました。長い髪の毛がまるで筆の先のように「クルン」と回ったのを今でもハッキリ覚えています。

    ですから、あの瞬間から私の波乗りの師匠(あっヤバ。前回『師匠は1人』って言っちゃたんだ)は、小池葵です。

    全然、話した事もありませんが。

    > 問題X.なにがよろしいのか。

    とりあえず最近、海に行けないのに、まあ海と波乗り話をさんざんして、しかもそれを公衆の面前でぬけぬけとやったのは、なかなか「よろしい」

    > 問題Y.なぜこんなに問題が多いのか。

    えっと、26問×5回で130問(現在129問目)かあ。そんなに多く回答してきたって気は全然ないんだけど。

    それもこれも師範がさっさと合否発表しないのと、次の課題を出さないのが悪い。

    そうだ、そうだ、それに決まった。


    > 問題Z.最後の問題は、空欄です。自分で問題を書いて自分で解きなさい。

    Q.波乗り、そして海のよさは何ですか?
    A.うーん、それは口では説明できません。「畳の上の水練」じゃありませんが、これだけは経験してみないことには、多分理解してもらうことが非常に難しいのです(自分の表現力不足もありますが)

    まあ、来年の夏はまた「灼熱の新島ツアー 2002」をやりますんで、興味のある方はぜひご参加を。

    って長々やって結局はCMかい(苦笑)
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もうこうなってくるとファンまで現れる始末。


No.977/ぜひともおねがいします。
投稿者/ ぴろりん -(2001/10/11(Thu) 01:15:27)

    >  今、6回目行こうかどうしようか、考え中。


    ぜひともおねがいします。はっきり言って次を期待しておりますので。
    (ここだけの話、5回目、かなり余裕が見られますよ。
    ぎりぎり目いっぱいまでテンション張り詰めたtaked2さんの回答が見たいです。)
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「そうか、なら期待に応えないとな」

というわけで第6回会戦。


No.1038/第6回目回答
投稿者/ taked2@1000 -(2001/10/14(Sun) 20:57:44)

    > 入学課題(なぜ勉強をしなければならないのか 単位1)

    回答6回目(10月14日)

    今回のテーマは「『ロケットバカ一代』ウェルナー・フォン・ブラウン」です。フォン・ブラウンは「近代ロケットの父」と呼ばれ、現在のロケット技術を作り 上げた技術者の一人です。ロケットというと、今ではスペースシャトルがイメージしやすいと思いますが、私が子供の頃は「アポロ」がロケットの代名詞でし た。フォン・ブラウンはそのアポロ計画で使用するロケットを作った、いわばプロジェクトリーダー。しかし第二次大戦中には....。

    今回は、朱夏@1113さんも紹介されていますが「中公新書 「月をめざした二人の科学者」 的川泰宣 著 ISBN-12-101566-5」を参考、そして一部引用しています。興味がある方はぜひどうぞ。

    (注意! 最初にお断りしておきますが「ロケットバカ一代」っていうのは私が勝手につけた呼び名ですが、決して揶揄する意図はありません。それどころか、 「○○バカ一代」という呼び方は私にとっては最大級の尊称のつもりですので、お間違いなきようお願いします)

    > 1.第一関門

    > 問題A.ではなぜ、マイナーな知識を学ぶ必要があるのか? メジャーな知識を反復させることでエキスパートにする、すなわち高校、大学で小学生と同じ教育 を施して完璧に履修させた方が、実生活では役に立つのではないか? この問いに対し、回答を返せ。

    近代ロケットの歴史は、なんと「SF小説」により火がつきました。ジューヌ・ベルヌが1865年に発表した「地球から月へ」、これが全てのはじまりでし た。今で言えば、「機動戦士ガンダム」を見て「あんなモビルスーツを作ってみたい」というのを100倍(?)ぐらい難しくしたようなものでしょうか。

    「ロケットを飛ばしたい」

    これは実生活に役立つ知識でしょうか? 別にロケットを飛ばさなくても普段の普通の生活には何も困りません。別に何億という大金をかけて「宇宙旅行」したい酔狂な大金持ちが何人もいるとは思えません。
    しかし「通信衛星」「衛星放送」がないと一般の生活にもかなり影響が出るでしょう。カーナビがついていない車ならGPSは必要ありませんが、ついている車にはないと困ります。

    ロケット技術そのものは、非常にマイナーな知識です。しかしそれを使うことでメジャーな用途がいくつも生まれてきます。

    もしフォン・ブラウンがいなかったら、現在のロケット技術はなかったでしょうか? これは「No」と断言できます。彼は時代の要請に対して、ベストなポジ ションにいました(というより、そのポジションにつくために彼はあらゆる手を使いました)。しかし、もし彼がいなかったとしても、彼にかわる誰かが(ソ連 にはセルゲーイ・パーヴロビッチ・コロリョフがいましたし、その他大勢のロケット技術者がいました)、それを実現させていたに違いありません。

    > 問題B.なぜ高校を辞めた人間が頭の固い大人によって差別されなければならないのか。問題Aを踏まえて頭の固い大人の論理を解き明かせ。

    ウェルナー・フォン・ブラウンは1912年3月23日、ドイツのヴィルジェッツで、マグヌス・フォン・ブラウンの次男として生まれました。マグヌスは農業 食料大臣まで務めた行政官で(ただしヒトラーが政権を握った後は身を引きました)、ウェルナーには「法律家になって欲しい」と思っていたそうです。

    しかし「親の心、子知らず」、ウェルナーは子供の頃から「ロケットカー」づくり(火薬式ロケット)に夢中。廃品置場にあったポンコツ車にロケットを取り付 け、果物店の店先に派手に突っ込んでしまう、などというイタズラを起こしていたそうです(その後、兄と一緒に倉に閉じ込められたウェルナーでしたが、父親 がなんといおうともガンとして謝らず、母のとりなしで倉から出してもらうと、「もう決してロケットに触れてはいけない」という父の声を尻目に一目散にポン コツ車に向かったそうです)。

    しかし、そんな自分の興味があることしか関心のないウェルナーでしたから、学校の成績はボロボロ。特に13才の時、「物理」と「数学」で落第点を取ったことで、マグヌスはとうとう堪忍袋の尾を切らし、彼を全寮制の学校に押し込めてしまいました。

    まあ、親父さんの気持ちもわからなくもありません。自分は大臣まで務めた真面目な人(しかもドイツ人)ですから、「僕、大きくなったらガンダム作るんだ ~!」といっている息子がいれば「これはいまのうちに性根を叩き直しておかんと、ろくな人間にならん!」と思っても無理はありません。

    > 問題C.問題A、問題Bを踏まえた上で、なぜ自分が勉強しなければならないのか、これを好きだからとか、趣味以外の概念を使って説明せよ。
    >  
    > (高校生のための注:概念とは、その範疇(範囲)にあるイメージを言う)

    全寮制の学校に閉じ込められたウェルナーですが、そこで運命的な本と出会います。「惑星空間へのロケット」(ヘルマン・オーベルト著)、ロケットの理論を 科学的に解説した本でしたが、数学が落第点だったウェルナーにはそこにでてくる方程式がちんぷんかんぷん。ロケットの原理は、徹頭徹尾、「物理と数学」。 彼の手には負えません。

    そこでウェルナーは学校の数学教師に助けを求めます。しかし教師から返ってきた言葉は「君がもしロケットや宇宙のことを本当に知りたいのなら、独力でこれらの数式が解けるようにしたまえ」。

    これが尾崎豊なら「大人は分かっちゃくれない」と泣き言をほざいて盗んだバイクで走るとこですが、さすがはフォン・ブラウン、気合が違います。自分の未来 に数学が必要なことに気がついた彼は猛勉強をはじめ、一年後には教師の代理で数学の授業をやるほどになりました。そして学業優秀につき、他の同級生より一 年早く学校を卒業します。

    ウェルナーにとって「なぜ勉強しなければいけないのか」というのは「月、できれば火星に飛んでいくロケットを作ってみたい」という夢のためでした。そして「自分の望みを自分の努力によってかなえよう」という強い意志とめげない性格がありました。

    それこそがウェルナー・フォン・ブラウンの持つ、最大の武器でした。

    > 2.第二関門

    > 問題D.勉強において、なぜ広範な知識があるほうがいいのか。自分に当てはめた場合、どうなのか。

    「宇宙ロケットを飛ばす」、まだロケットを飛ばすための科学、工学が十分に発達していない1910~20年代、これがどんなに無茶で途方もないことだった のか分かるでしょうか? これが50年前であれば、単なる「子供の夢想」に終わっていたでしょう。

    ロケットを飛ばすには基礎的な原理も重要ですが、それだけでは「絵に描いた餅」。ロケットエンジンの構造や燃料、外壁の形状や材質など、多くの派生する理 論や技術を実現しなければなりません。またその理論や技術を実現するためには多くの工学的な裏付けも重要です。また有人ロケットなら、人間が乗って生きて 耐えられる技術も必要です。

    ロケット花火を作るのであれば火薬をまるめて棒につければいいだけですが、ロケットを飛ばすには広範囲な知識がどうしても不可欠です。


    > 問題E.勉強において、方法論はなぜ多彩でなければならないのか。もっとも効果的な方法論を一つ学べばいいはずなのに、なぜ学校では複数の解法を教えたがるのか?自分に当てはめた場合、どうなのか。

    オーベルトの著作に影響された当時のドイツの人々はVfR(ドイツ宇宙旅行協会)を結成します。といってもこれはアマチュアの有志団体というべきもので、 機関紙を発行し、後に本当のロケット実験も始めますが、その活動のほとんどは寄付によっていました。
    フォン・ブラウンは「高校生の分際で」VfRに入会し、その後、工科大学に通うかたわらアルバイトでタクシーの運転手をしつつ、VfRの中心メンバーのひとりになりました。

    しかし所詮、アマチュアの遊び。

    フォン・ブラウンは奇妙な偶然(これはある意味、必然なこと。人生において本当に必要なモノを本当に望めば、それにいつかめぐり逢います。不思議なことですが、これは多くの人が体験しています)によって、陸軍でロケット開発する機会に恵まれます。
    しかしVfRのメンバーのほとんどが反対。陸軍の後ろ盾を得る決心をしたのは、フォン・ブラウンひとりでした。しかし、後にVfRからも賛同者が続き、潤沢な資金を元にロケット開発を進められるようになります。

    もし彼がアマチュアのままであれば、ロケット史に彼の名前が残る事はなかったでしょう。そしてロケット開発のように湯水のような資金があってもうまくいく かどうか分からないモノを寄付ベースでやっていては、100年経っても彼の望む宇宙ロケットには到達できなかったでしょう。


    > 問題F.人間、考え方がしかっりしていると誉められる。単純であるほど畏怖される。これはなぜか。なぜ考え方がしっかりする必要があるのか、単純にする必要性はなんなのか。

    これは、かみひとえ@1040さんも答えているので、ちと違うエピソードを。

    現在のスペースシャトル、ロケットの再利用ということでは非常にいい考えだったのですが、最初の頃はもっとイメージ先行の無謀なプランだったようです。 フォン・ブラウンからは「実現する見込みのない」ほど「あまりに複雑で、あまりに高価な」プランに見えたようで、一段目には使い捨てでもいいロケットを装 備し2段目には最初のプランよりもずっと小さな機体を提案。結局は彼の提案に落ち着いていきます。
    以前、はじめてスペースシャトルの打ち上げに成功したとき、次の日の全国紙の朝刊の一面で「日本のスペースシャトル案」ってのがでかでかと載ったことがあ ります。しかしそれは結局「絵に描いた餅」。通常のロケット技術さえ、未だに日本の技術はアポロに追いついているとはいえません。

    あれほど回りには無茶に見えるA-4(V2)ロケットやアポロ計画も、彼なりに現実の厳しさに見合った落とし所を冷静に見切っていたようで、無謀かそうで ないかという点において非常に現実的な判断をしています。何千~何万という人間と天文学的な資金をつぎ込むプロジェクトを進めていく人間にとって、それは 最も必要な技能だったに違いありません。無謀と夢は違うのでしょう。

    > 3.第3関門
    > 問題G.流れとはなにか?
    > 問題H.輪郭を見なくなった時点で、流れを感じるようになった時点で、その人間は、どうなるのか。
    > 問題I.制覇とはなにか。
    > 問題J.なぜ世界には誰も勝てないのか。 
    > 問題K.修練をすれば、なぜ流れを感じることが出来るようになるのか。

    この問題に正確に答えられるほどロケット技術に詳しくないので、あの本を読んで感じたことを答えます。

    近代ロケット技術は、最初軍事利用、簡単にいえばICBM(大陸間弾道弾)の開発目的で出発しました。後の革新的な技術につながる基礎的な研究に軍が資金 を出すというのは何も珍しい話ではなくて、例えばインターネットも、その母体であるARPA-NET自体「核攻撃を受けた際に通信環境が崩壊してしまわな いための分散環境の構築」を目的に出発しています。戦争は最も忌むべきものだし、それのみが正しいとは決して思わないけど、近代において戦争が科学技術の 発展に関与したことは否定できません。

    夢を現実のものとするには、「いま自分がどんな場所に立っているのか」を冷静に見つめることが必要です。それを他人がどんなに「無茶」と思おうが、現実に それを成し遂げた人はいます。しかも個人芸だけでは到底到達不可能な「ロケット開発」を現実のモノにしてしまうために、フォン・ブラウンは、時には悪魔に 魂を売ったとまで述懐することを行ったり、半ば強制連行の形で戦勝国で捕虜同然の扱いを受けたりしながらも、自分の夢を諦めませんでした。また米ソ冷戦と いう個人ではどうしようもない時代背景や、ケネディの大統領就任といった幸運さえも、自分の夢を実現するための手段として最大限利用しました。

    彼が生まれた頃は、ロケットというのはまだ「SF小説の中のガジェット」にしか過ぎませんでした。それをたった65年という人生で、現実のロケットを作 り、飛ばし、月に人間を送り込んで帰ってくる、という偉業(偉業という言葉も彼の前では、どうも小さ過ぎます)を成し遂げたフォン・ブラウンは、やはり 「ロケットバカ一代」です。

    生前、フォン・ブラウンと親交のあったアーサー・C・クラークは、現実のロケット技術の進み方を見て、「もう2001年には木星行きのロケットが飛んでい るだろう」という着想から「2001年宇宙の旅」を書きました。しかし2001年の今、それは現実になっていません(まあ、HAL9000を作るのは GOFAIでは無理ですが)。

    人類はいつか夢を実現します。しかしそれには「あきらめることを知らない断固たる決意」が必要です。そしてそれを体現しうる行動力と正しい手順、そしてパワーのある人間が、何よりも必要なのです。

    > 4.最終関門
    >  さあ、これからは貴方の話だよ。手を叩き、目を醒ましなさい。
    > 手を叩けば流れが変る。こう、ポンポンっと。

    > 問題L.貴方は、何を学ぶのか?
    > 問題M.なぜ、学ばなければならないのか。

    なぜ、フォン・ブラウンはロケットを飛ばそうと思ったのでしょう?
    これは正直言ってフォン・ブラウン本人に聞いてみないと分かりません。でも後世の人間から見て、あの時代にはあのような人物が必要だったとしかいいようがありません。

    天の配剤と一言でいうことは簡単ですが、不思議としかいいようがありません。

    > 問題N.なぜこの課題を3回とかせる必要があるのか。
    > 問題O.なぜこの課題回答が公開されなければならないのか。

    6回目はちょっと違う趣向で回答しようと思っていたのですが、やっぱりフォン・ブラウンを書かずにはいられない衝動を感じて書いてしまいました。

    これも何かの縁、ってヤツでしょう。

    > 問題P.勉強した結果、どんな人間になりたいのか?

    おこがましいようですが、「フォン・ブラウン」のような人間になりたいと思います。できればナチスは願い下げしたいのですが、それ以外に道がないケースでどうなるかは、なってみないと分かりません。

    > 問題Q.どんな勉強をすれば、そうなれるのか。
    > 問題R.問題Qを実践する場合の問題点はなにか?
    > 問題S.問題Rで示された問題点を突破する方法は?方法を思い付かないなら、どうすればいいのか?

    ・「自分の望みを自分の努力によってかなえよう」という強い意志とめげない性格
    ・「抜け出る見通しのない事柄について、愚痴をこぼして時間を浪費しない」
    ・「やる気」

    > 問題T.なぜ皆が勉強する必要があるのか?  
    > 問題U.社会の発達段階で、なぜ皆が勉強するようになったのか。
    > 問題V.理想の教育者とはなにか?
    > 問題W.なぜ理想の教育者が物を教えなければならないのか。

    世界的な衛星通信ネットワークの確立、そしてその通信網を利用して世界の子供達に質の高い教育を施すたねも方策....NASAを引退した後、フォン・ブラウンはフェアチャイルド社でこれを実現しました。

    「お腹のすいた人に魚をあげれば、その人を一日だけ救うことができる。しかしその人に魚の取り方を教えてあげれば、一生お腹がすくことはないだろう」、衛星を利用した教育プログラムの重要性を説明する際、フォン・ブラウンがあげた中国の格言です。

    > 問題X.なにがよろしいのか。
    > 問題Y.なぜこんなに問題が多いのか。
    > 問題Z.最後の問題は、空欄です。自分で問題を書いて自分で解きなさい。

    Q.6回もやったのに、どうも「もう、よろしい」と自分の中では思えないし、しかもやらなくてはいけないことは山ほどあるのに、なぜ7回目もやるのか?

    A.「7回目もやる」と公言したから。人間、信頼を潰すのは簡単で、言ったことを一回でもやらないとそれは達成できます。しかし信頼を得るのは非常に難し く、当たり前のことをひとつひとつコツコツやって積み上げていく以外にありません。そして、私が目指すことは信頼がないと到達できません。

    だからやります。

    でも今、ちょっと時間がなくて7回目の同時掲載は無理なので、1週間後にやります。しかし、この7回目の方法をなぜいままで誰もやらなかったのだろう? 不思議だ。
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実はこの時点では7回目の構想はまだ出来ていなかった。単なるブラフだったのだが、竹田津は今までの回答では何か、書ききっていないものがあるように思えて仕方なかった。

「まだ、何か書いてない事がある」

しかしその時会戦終了の合図が鳴り始めた。

 

(*注意* 登場する人物、団体等は、全て架空のものです)

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作成:2008-7-26 20:28:47
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