自転車旅行
長距離の自転車旅行といえば高校3年の春休みの東京→松山間の旅行が最長。当時は漫画「自転車野郎」が大人気で日本一周にあこがれたものだけど、学生時代は毎日バイトだったし、ささっと就職しちゃったんでチャンスはこの時しかないとおもってさ。就職組はやることないんでちょうどいいと思って実行した。
往きは自転車(ルマン・クールス)を輪行袋に詰めて空路東京へ。羽田で自転車組み立てて、当時姉が住んでいた国立まで一走り。っていうか東京の地理全然分からなかったから、まあ走ってりゃそのうち着くと思ってのんびり走っていた。で、1週間ぐらい姉の所にいて、その後、約2週間かけて東京→松山となったわけだ。ルート的には国立から御殿場、東海道を走って、琵琶湖の北を回って山陰へ。本当は山口をぐるっと回りたかったんだが、学校の登校日があったんで日程を切り詰めて鳥取から広島に抜けて松山に帰った。距離としては1日平均150kmから200km。ほとんどステージレースだよな。春休みだから時期的には2~3月のことだったんだけど、ほとんど野宿。風呂に入りたいときだけユースとか使ってた。
その間食い物はほとんど卵丼。というか当時一番安かったからさあ。3食卵丼なんていうのもザラだった。そういや食堂に入ったときに店の人が怪訝な顔するんでなんだろうと思っていたのだが、トイレで鏡みて分かった。国道脇とか走ってたんで顔が排気ガスで真っ黒だった。鏡なんてついぞ見なかったからね。
まあ珍体験もいろいろあった。一番困ったのは名古屋で全財産入った財布を落としたこと。仕方ないんでそのまま交番行って実家に電話かけさせてもらった。で、金送ってもらうってことになって、その晩は警察の留置場で一泊。人生初の留置場泊だったな(いや、その後留置場に泊まったのは2~3回ぐらいだ)。そしたらあくる朝財布が見つかったとのこと。まあ金は入ってなかったけど、2~3千円しか入ってなかったからさ。家に送金はいいよ、ってことになってそのまま旅行を続けた。あとはほとんど零下の地面上で寝たとか、朝起きたら寝袋の上に雪が積もってたとか、ドライブイン横の土管で寝てたらそばでトラックの運ちゃんが派手な喧嘩始めたとか、とにかく野宿のときのヘンな体験が多かったな。
あんな無茶な旅行は何も知らなかったんだからできたと思うんだけど、まあ、もう一回ぐらいは長距離の自転車旅行をやりたいと思っている。まあ、今度はちゃんと宿に泊まるような旅行をさ。